demotion cut 1



AM02:11 SI 病院
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ラジオ「未明からの大雨により、Liberty Cityは一部通行止めとなっております」

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ラジオ「SI - SSV間は現在通行止め。フェリーの夜間船も運休。この大雨は未明にはやむ模様です」

カチッ。
彼はラジオの電源を切ると一度呼吸を整え、ゆっくりと息を吐く。
彼は――Spire。仕事が終わり、弟へ会いに来たのだ。

もちろん彼は知っている。すでに面会時間ではないことを。
けれど会わないわけにはいかない。

そう――。今日は彼の弟、Denieの誕生日なのだ。

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Spire(Sp)「・・・。このプレゼントを置いて帰ろう・・・」

彼が用意したのは一眼レフカメラ。彼の弟は記者だった。

――数年前

Denie(De)「ねぇ、兄さん」
Sp「どうした?」

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De「なんで俺が記者になったかわかる?」
Sp「そういや聞いてなかったな」
De「俺はこのカメラでその場その時の”時間”を切り取って後世に伝えたいから記者になった」
De「すべての時間”は存在してもそのすべてを後世に残すことはできない。けれど一部の時間ならカメラやビデオで残すことができる」
De「俺の名前は残せなくても俺の写真が後世に残っていればいいな・・・」







――現在
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ラジオ「もう一度繰り返します。トーリントンにてスリップ事故があったとのことです。負傷者は―。」

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ザァー・・・

雨は止むことを知らずに降り続ける―。
深夜の大雨は町の色彩と視界を奪い、色あせて見える。

彼は車を路肩に寄せ、エンジンを切ると深い考え事に耽る。

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Sp「・・・」


Sp「どういうことですか!?」
上司「言っておるだろう。ルバーチェによってレオーネの集会所に襲撃があった。そこには君の弟も居た」
Sp「嘘だ!?」
上司「嘘をついてどうなる? 死体は見つかってはいないが生きているという確証はないぞ」
Sp「嘘だろ・・・」

Sp(俺は・・・お前を守れなかった。Leoneだから安全だと思ってた。でもそれは違ってた。あの時、情報屋に従っていればこんなことには・・・)

彼は今でも後悔を続け苦しんでいる。
暗い海の中に放り出されたような気分だ。

Sp(こんな時、いつもお前は俺の前を歩いて俺の進むべき道を教えてくれた)

かれこれ数年間眠り続けている。
目を覚ますのかどうかも怪しい。


医者「彼のためにも、そろそろ決断するべきかと」
Sp「・・・」
医者「このまま彼を逝かせてあげた方がよろしいのでは・・・」
Sp「駄目だ。あいつを逝かせはしない」

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彼は車のエンジンを再びかけると夜の街へとまた狩り出していった。


ラジオ「本日の曲は―SID - Rainです」

雨はいつかやむのでしょうか
Will the rain ever stop , I wonder

ずいぶん長い間 冷たい
For a pretty long time now it's been cold

雨はどうして僕を選ぶの?
Why does the rain choose me ?

逃げ場のない 僕を選ぶの?
Why does choose me who has nowhere to escae to ?