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サンフィエロ ドハティ サプリ製造工場
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Sasha(Sa)「すみません、わざわざ送って貰っちゃって」
Jake(Ja)「どうせ帰り道だから気にすんな…そのかわりと言っちゃあなんだが、さっき会った女のことについて教えてくれよな」
Sa「ええ、構いませんよ」

カーラと会った2人は終始無言のまま帰路についており、初めてここドハティの拠点でサーシャが沈黙を破る。
サーシャは車から降りると、ジェイクに手を振り、一人建物へと入っていく。
ジェイクとしてはサーシャに聞きたいことは山ほどあったが、彼としてはその事実を聞くよりも優先して考えていたことがあった。

――政府に気をつけろ
ジェイクはカーラに言われたその一言だけを考え続けていた。

Ja「気をつけろったって何に気を付ければいいんだよ…」

ジェイクは車のアクセルを踏むと、自分の家への帰路へとつく。
彼女であるシェリーを待たせてしまうわけにはいかないからだ。


ラスベンチュラス ZPD ラスベンチュラス警察署
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小町「四季様、この前の武器屋強盗ですが犯人が割れました。四季様次第ですぐにでも犯人を逮捕に行けますが…」
四季「そうですね、すぐにでも逮捕に向かってもらうことにでもしましょうか。小町、至急伝えてきてください」

この間の武器屋強盗事件――それに繋がる輸出車の強奪事件。
元々あの輸出車はリストには入っていない。あのイギリス行きの貨物船にフォードは入っていないのだ。

――あの車はラスベンチュラス国際空港で既に見つかっていた不審車である。
ZPDは万が一に備え、あの車にGPSをしかけていた。無論今となってはシグナルが拾えないためどこにいるかは不明だが。

小町が逮捕へ向かうように伝えに行っている間、四季は先ほど送られてきたメールを確認する。

件名:NO TITLE
To:四季映姫
From:保安官事務所

スピードカメラにターゲットのナンバーを有した車両が写りましたので写真と共に報告させてもらいます

461631


メールの内容はパチュリーの車をスピードカメラが捉えたことを伝えるメール。
間違いなくこの車両はスカーレットグループアメリカ本社で見た車両であった。

画像と共に記された日付は今日の物であり、時刻は今から2時間ほど前。
となるとパチュリーはラスベンチュラス市内に居る可能性が高い。

四季「すぐにでも捜索を始めるべきかもしれませんね…」



サンフィエロ ドハティ サプリ製造工場
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陽は殆ど沈み、街は闇に包まれ始める。
そんな中で作業しているのはボス。理由はわからないが、積荷を卸していたようだ。

Tylor(Ty)「ったく、この手の仕事はダリルの担当だろうが…」

ボスはどうやら「ダリル」という人物の代わりに仕事を当たっていたようだ。
ボスに仕事を頼むダリルというメンバーはどれだけの影響力を持っているのだろうか…。

ブッブッ

マナーモードにしていた携帯がメールを受信する。ボスは作業していた手を止め、メールを確認する。

Ty「どうせまた迷惑メールだろうな…ったく誰にメールしてんのか理解してんのかこいつは」

日々受信する迷惑メールに嫌気を感じるボス。しかしボスはメールを見て驚くことになった。

件名:無題
TO:T
FROM:スパーク

閃光消えかける

Ty「閃光消えかける…? まさか…!!」

ボスはすぐさま、スパークから送られてきた暗号を解くとジェイクに電話を掛ける。

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Ty「ジェイク、問題発生だ。大至急空港に向かってくれ。アタシも向う」

そう、ボスは”スパーク”が命の危機に瀕していることを解いた。
1人よりも2人居た方が戦力にもなる。ついこの間問題を起こしたばかりであるというのに…。

少しばかり、時は戻るがジェイクは何をしていたかと言うと彼女であるシェリーと自宅で優雅に2人きりの時間を楽しんでいたところであった。

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Ja「おい、この皿はどうするんだ」
Sherry(Sh)「それにサラダを盛り付けるから置いておいてくれるかしら?」
Ja「ああ、わかった」

シェリーがキッチンに立ち、ジェイクはテーブルで彼女の手伝いをする。
まぁごくありふれた光景ではないだろうか。
はい、そこ。2人はヤる前なんじゃないかと思ったそこのあなた。クレアがそっち行きましたよ。

ジリリリリリ…

ボスからの電話がジェイクにかかる。
何時になったら着メロを変えるのか。相変わらずけたたましいベルの音を模した着メロが流れる。

Ja「すまねぇ、電話だ。ちょっと離れるぞ」
Sh「ええ、わかったわ」

シェリーはジェイクに対して微笑みながら答えると、再び調理へと戻る。

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Ja「もしもし?」
Ty「ジェイク、問題発生だ。大至急空港に向かってくれ。アタシも向う」
Ja「おい今じゃないと駄目なのか?」
Ty「スパークが危ないんだぞ、そんな呑気な事言ってられるかよ」
Ja「何でそれを早く言わないんだボス!」
Ty「喧嘩は後だ、急いで空港の格納庫に来い。戦闘ヘリを用意して待ってるぞ」

ボスからそれだけを伝えられると一方的に切られてしまう。

Ja「ボスはいっつも肝心なことは後から言いやがるな」

ジェイクは呆れ顔で携帯をポケットにしまう。
しかしそんな悠長なことを言っている暇はない。急いでスパークを救出する必要があるだろう。

Ja「シェリー、すまん。仕事だ」
Sh「…また危ない仕事なの?」
Ja「なぁに、大したことねーよ」
Sh「私はジェイクが心配なの…怪我もしてほしくない」
Ja「…お前の気持ちはわかる。でもわかっていてもやらなきゃいけないことがある。それがこの仕事だ」
Sh「私、待ってるわ」

ジェイクは伝える事だけ伝えると、彼女の言葉を聞いて手をあげ、見向きもしないまま手を振る。
このサインは「心配するな」ということなのだろうが、シェリーは心配で気がかりでしかなかった。


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ジェイクは車に乗り込むとキーを刺し、空転させ、エンジンを温めてからスタートさせる。
急発進した車は路地を抜け、通りへとでる。

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夜だというのに交通量は多めであり、繁華街から少し外れた街と言うのもあり、ライティングがまばゆい光を放つ。

一方、ボスはと言えば既に空港の近くまで到着していた。

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ガシャン!!


信号機をなぎ倒す音と共に、ものすごいスピードでSUTが駆け抜ける。
このような雑な運転でありながら今のところ人が引かれていないのが奇跡のようだ。





サンフィエロ サンフィエロ国際空港 格納庫前
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少し遅れて到着したジェイク。ボスは彼が来る間、格納庫からヘリを引っ張り出していた。
――Mi-24D 通称「ハインド」 その独特の形状からファンも多く、ロシアにおける代表的な武装ヘリだ
―――このハインドはスパークがルチャにやや安めに卸したもの。ギャングとはいえ、攻撃ヘリは欠かせないものだ

Ja「ボス、事情を説明してくれ」
Ty「こんなメールがスパークから送られてきた」

ボスは冷静に携帯を取り出し、ジェイクに例のメールを見せられる。
送り主は何の間違いもない、スパークからの物である。

Ty「スパークの位置はサーシャに割り出してもらっているところだ」
Ja「それじゃあすぐには援護に行けなくねーか?」
Ty「だからハインドを用意した。スパークの拠点はラスベンチュラスだ。少しでも早めに到着するには近くにいた方が良いに決まってるだろ」
Ja「別の場所だったらどうすんだ?」
Ty「ごちゃごちゃうるせーな。早く操縦席に座れ。アタシがガンナーをやる」

ジェイクは操縦席に、ボスは副操縦席に乗り込む。
操縦を任されているジェイクはハインドのローターの回転数を上昇させ、ヘリを飛び立たせる。
進路は北東。すぐにでも援護できるよう、高度はやや低めで進路へ向かう。

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Ja「サーシャ、場所は特定できたか?」
Sa「すみません、まだです。ただラスベンチュラスの南と言うところまで絞れました」
Ty「時間がない、急いでくれサーシャ」

ジェイクとボスは無線を使い、サーシャと連絡を取る。無論この無線は独自の周波数なのですぐには拾われないはずだ。

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やがてヘリはラスベンチュラス上空へと入る。攻撃ヘリと言うこともあって移動速度は速いが、連絡があってから既に30分近くが経過しようとしていた。急がなくてはスパークの命の保証もないだろう。

Sa「位置が割れました!そこから南東の住宅地へ向かってください!」
Ty「了解したぞサーシャ、ジェイク至急そっちへ飛ばしてくれ!!」

サーシャはシグナル強度でスパークの位置を特定することに成功する。
ジェイクは2人に言われた通り、ラスベンチュラス南にある住宅地へとヘリを飛ばす。

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Ja「上空に入ったぞサーシャ」
Sa「そこから南に1ブロックほど言った場所です」

ジェイクはサーシャに言われた通り、南へ1ブロック移動する。
ターゲットを発見するため、ジェイクはしばしの間、ボバリングをする。

Ty「ジェイク、サツを見つけたぜ!機首を少し傾けてくれ!」

ボスのその掛け声とともに、ジェイクは機首をやや前のめりにする。
次の瞬間、ロケットポッドからミサイルが放たれ、ZPDのパトカー目がけて発射される。

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ドーン!!

けたたましい爆音とともに、ミサイルがパトカーに直撃する。
さらに追い打ちをかけるように12.7mm弾を使用するミニガンで一掃する。

多数の犠牲は仕方ない、民間人が何人か巻き込まれてしまったようだが彼女たちが気にしているほどの猶予はない。

あらかたZPDを一掃するのを確認すると、ボスは操縦席にあるマイクを奪い、備え付けられた拡声器でスパークに呼びかける。

Ty「スパーク!増援が来る前に遠くに逃げるんだ!」

それだけを言い残すと、ボスはジェイクに撤退を指示する。長居は無用だ。
仮に怪我をしていても、スパークなら自力で逃げることも可能なはずだ。これ以上の干渉はこちらにも何かしら影響が出かねないのだ。

Ty「厄介になる前にズラかるぞ、ジェイク」
Ja「助けなくて良かったのか?」
Ty「これ以上はあいつがなんとかするさ」

ボスはスパークを信用し、これ以上の干渉をさける。無事に逃げ切れることを祈って。