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サンフィエロ 海軍基地
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まだ世も明けぬアメリカ西海岸・サンフィエロ。
このサンフィエロには海外系企業の高層ビルだけではなく、アメリカの治安を守るべく海軍の基地が置かれている。
ゼン帝国と関係を持っている現在のアメリカにおいてこのサンフィエロの海軍基地はゼン帝国軍の中継地としても使われている。
さらに追記しておくならば、この基地はアルター社の私設部隊「マサコチーム」も使うということだろう。

そんな海軍基地上空をボバリングする一機のヘリコプター。
ギリギリ航空禁止範囲に入っていないため、警察手配度を付けられることもなければ対空ミサイルを飛ばされることもない。
そこから指示を出すのは他でもない、ボスだ。無論ボス自身も突入の合図と同時にヘリから降下し、基地に潜入するのだが…。

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Tylor(Ty)「おいみんな、準備はできてるな?」

メンバーに操縦させたヘリから空母と仲間の乗るボートを見下ろすボス。
無線でメンバーたちに呼びかければ応答を待つ。

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Jake(Ja)「ああ、配置に着いた。後はダリルがトラッシュトラックを基地の入り口に配置するだけだ」
Daryl(Da)「…OK。こっちも準備が出来たぜ。後はボタンを押すだけだ」
Ty「よし、起爆する。予定通り陰密作戦で行く。みんな気を引き締めろ」
Sasha(Sa)「警察署が目と鼻の先にあります。出来る限り短い時間ですべて終わらせてください」

ボスはヘリで仲間たちの乗る船の位置を確認する。この海軍基地は空の警備だけでなく、海上の警備も強化されている。
しかしこの時間帯は夜明けという事なのか、海上の警備が手薄になる。そこを見計らっての襲撃だ。
ボスはその目でしかりと基地と海上のメンバーを確認すると、起爆装置のスイッチを押す。

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ドーン!!

海軍基地の入り口に止められた1台のゴミ収集車が大きい音を立てながら連続して爆発を起こす。

Ty「突入だ!!」

タイラーの掛け声と同時に海上に居るメンバーは高速で基地へと急接近。
2隻のボートが海軍基地名に停泊している空母へと到達し、ジェイク率いるメンバーたちが続々と空母へと乗り込む。

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ダダダダダ!!

基地は混乱状態に堕ちいり、けたたましいサイレンが鳴り響く。もちろんこの空母も例外ではなく迎撃態勢が引かれ、空母内、ひいては施設からほど近い軍人は続々と空母へ集結する。

Ja「中は混乱状態だ!サーシャ、ブツはどこにあんだ!」
Sa「空母の3階にある木箱に入ってると思われます」
Ja「敵の攻撃がしぶといな…」

ジェイクと精鋭ともいえるメンバーは空母内のアメリカ軍と交戦状態に陥る。

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一方、ボスはと言えばボバリングさせていたヘリからパラシュートを背負い、ヘリから空母の甲板目がけて降下を開始する。

Ty「今からアタシがそっちに行く。それまで持ちこたえてろ」

ボスは無線を使いつつ、ジェイクとメンバーにそれを伝えると単身1人でショットガン片手に空母の甲板へと着陸する。

兵士「こっちにも敵だ!!構わず撃ち殺せ!!」

ボスの着陸に気付いた兵士がすぐさま銃を向け、ボス目がけて銃を乱射。しかしボスはカバーをしながらAA-12を乱射するのだった。

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ダッダッダッダッ!!

ランダムで散っていく鉛玉は兵士たちの体を貫き、その金属色を鮮血の赤色で染めていく。
さらなる増援が駆けつける前にボスは甲板を降り、ジェイクの居る最下層へと駆け降りる…と途中で足を止め、何かを思い出したようにボスは手渡されていたリモート爆弾の存在を思い出す。

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Ty「足止めに最適だな」

リモート爆弾を設置し、何もなかったかのように階段を駆け降りていくボス。
無機質に一定の間隔で音を奏でるリモート爆弾。この爆弾は時限式ではなく遠隔操作式。好きなタイミングでの爆破が可能になる。

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一方ジェイクと精鋭たちはと言えば既に3階に到達していた。が、銃撃の嵐は止むことはなくむしろ酷くなる一方。ここで一発形成逆転が可能であれば良いのだが。

Ja「ボス、摩耗が速い。早く援護してくれねーか?」
Ty「お待ちかねの援護だ、ジェイク!」

ジェイクはリロードを行いながらボスを呼ぶ…と同時にショットガンを連射しながら現れるボス。

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ダダダダダ!!

銃声はさらに響き渡り、辺り一面鉛玉が飛び交う。一歩でも踏み出せば穴あきチーズにされるのは確定だ。

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兵士「撃て!!」

兵士の奥に見える薄く緑色に輝く謎のカプセル。
2人はそれを確認すれば、サーシャに確認の無線を入れる。

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Ja「サーシャ、グリーングーってのはあれか?」
Sa「緑色のカプセルならまさにそれですよ!早く持ってきてくださいね!」

サーシャはそれだけを伝える。ジェイクは武器を持ちかえれば再び敵目がけて銃を放つ。

Ty「さすが鍛え抜かれた軍人だ…一筋縄ではいかないみたいだな」
Ja「舐めてかかったら穴あきチーズにされるな」

2人ももちろん鍛え抜かれているのに変わりはない。軍人と互角に戦える”凡人”なんてそう居ないだろう。
ついに兵士を撃墜すれば2人は怪しく光る緑色の光源へと近づく。

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軍人を倒せば近くで目に焼き付けるようにグリーングーを観察するジェイク。
ジェイクはそれを手に持てばしっかりと仕舞い、再び銃を構える。それを見届けたボスは走りだし、階段へと向かう。

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Ja「おい、ボス!どこ行くんだ!」
Ty「物はついでだ。戦闘機を盗む」
Ja「相変わらずだな」
Ty「そう言いながらアタシについてくるお前も相変わらずだな」

ジェイクは失笑しながらも、「いいぜ」という顔をし、ボスの後に続いて歩いて行く。ボスも「構わない」という表情をしながらジェイクの捨て台詞に捨て台詞で返す。

Ja「お前らはボートで逃げた方が安全だ。後で落ち合おう」

ジェイクは他のメンバーには乗りつけてきたボートで逃げるように指示する。ボートの方が機動力も優れるうえ、管制を張られている空よりもはるかに安全だ。

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甲板の上に到着すれば、ボスとジェイクは戦闘機を見つけ、駆け出す。
もちろん追手を打ち抜き、甲板上の敵を一掃しつつであるが…。

Ja「さっさとアイツらを片付けちまおうぜ」
Ty「言われなくたってさっさと片付けるさ」

2人は改めて敵を再確認すれば、兵士目がけてトリガーを引く。
すかさず兵士たちもボスたち目がけてトリガーを引くがその甲斐空しく鮮やかな鮮血で彩りながら散っていく。

ボスは兵士たちがあらかた片付けたのを確認するとジェイクにコックピットに乗り操縦するように指示をする。

Ja「自分で操縦しろよ」
Ty「アタシよりも操縦ならお前が上手いだろう。それにアタシは駆けつけてきそうな犬どもを蹴散らす必要がある」

ジェイクは渋々了解しコックピットへと座る。立て続けにボスは副操縦席に座り、武装の確認をする。

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Ty「レーザーが付いてるのか!!」
Ja「どうやらそのようだな」

コックピットに座ったジェイクは計器類を確認しつつ、ゆっくりと機体を垂直に上昇させる。

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ドーン!!

と、次の瞬間聞こえたのは爆発音。ジェイクは咄嗟に窓から下を確認するが、どうやらこの機体からした音ではないようだ。

Ty「爆弾を設置しておいて正解だった」
Ja「ボスの仕業か…」

ジェイクはボスの言葉を聞いて安堵の溜息を突けば、機体のノズルを倒し、飛行モードへと移行させる。

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飛行モードへと切り替わったF-69 VTOL。さすがは戦闘機だけあり、雲をも切り裂く速さで飛行に移る。
移ったとは言っても運び込む場所は海軍基地隣のサンフィエロ国際空港であり、とても短いフライトになるのは確実だが…。

Ty「おい、レーダーに何か写ってるぞ」
Ja「クソ……犬のお出ましだ」

格納庫のあるサンフィエロ国際空港の上空を通りかかったところで、背後から急接近してくる同じF-69 VTOL。
そう、アメリカ軍がジェイクたちの戦闘機を撃墜する為に飛来してきたのだ。

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EF「前方の戦闘機に次ぐ。ただちにサンフィエロ国際空港に着陸せよ。さもなくば迎撃する」

無線から流れたのは離陸を促す警告。しかしジェイクたちも背に腹は代えられない。このままやすやすと指示に従って捕まるわけにはいかないのだ。

Ty「お前らのオーダーには答えられないね。ジェイク、撃ち落とせ」

ボスは無線を手に取れば、エネミーファイターの警告に返事をする。答えはもちろん「ノー」だ。

Ja「無茶な事言ってるんじゃーねーよ!相手はプロだぞ」
Ty「あ? テメェもプロ気取りじゃねーのかよ」
Ja「落ちても俺のせいじゃねーからな」

ジェイクはボスに吐き捨てるように応えれば急旋回し、エネミーファイターのケツを追いかける。

Ja「そこだ!!」

照準がエネミーファイターに定まったところでジェイクはキャノンを連射する。

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エネミーファイターはコントロールを失えば、地面へと落下していく。2人は戦闘機の窓からその光景を眺めれば感嘆の声を上げ、ルチャドールズの格納庫へと舵を切るのだった。