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サンフィエロ ダウンタウン
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Kinzie(Ki)「ターゲットは9時にテレビ局から出てくる予定よ」

クロードのこちらに来てからの初の仕事は尾行。ターゲットはKEOCの名物キャスター、ステラ・ブラウン。
彼女の経歴はまだ浅く、年齢も若いがその実力や知名度はかなり抜群と言える。
そんな彼女の尾行、どういった意図をもってしているのかはわからないがやはりチャンネル6が多かれ少なかれ関係しているということだろう。

Claude(Cl)「……」

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クロードの乗るこのブラヴァド・バイソンはフルタイム4WDのピックアップトラック。
勇ましいエンジン音とそのパワフルな外観から人気を博しているトラックで街中で見かける機会は何かと多いと言える。
ただし彼が乗るバイソンは少し特別でホイールの変更に加え、ロールケージの装備、ボディフレームの強化、そして防弾タイヤの装着とかなりカスタマイズが施されている。
今に越したことじゃないが彼の仕事柄やはりこれくらいのカスタムはしておく必要がある。
他にも同様のカスタマイズを施した乗り物を数台所有していることから仕事内容に合わせて切り替えているのだろう。

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Ki「どうやら出てきたみたいね」

衛生やネットワーク、交通管理システムや周辺の防犯カメラのハッキングでクロード、そしてターゲットであるステラの動向を監視するキンジー。
さすがは凄腕ハッカーだけはあり、こちらが何をしているかはもはや丸見えなようだ。
クロードに手渡したインカムもどうやらGPSを内蔵しているようで正確な位置をGPSからも把握できているようだ。

クロードはあれか、とテレビ局から出てきた1人の女性に目を向ける。

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テレビではもはやお馴染みと言うくらい良く目にするキャスター、ステラ・ブラウンの姿があった。
時間帯を狙ったのか、あまりファンの少ない時間帯を狙ったのか付近に彼女へ近づこうと試みる者はいないようだ。

彼女は近くに止まっていたタクシーに乗り込むと、どこか行先を告げてタクシーを走らせる。クロードの乗るバイソンはそのタクシーの後をゆっくりと付けて行く。

Ki「ターゲットはタクシーに乗ったみたいね。私の出る幕はほとんどなさそうだわ。尾行は慣れてるのかしら?」
Cl「……ああ、慣れていると言えば慣れている」

運び屋としてのキャリアを積み上げてきたクロード。やはり尾行なんて言うものはお手の物なのだろう。
キンジーはGPSでクロードの現在位置を掴みつつ、周辺の防犯カメラをバレないようにハッキングしつつ、ターゲットの乗り込んだタクシーとクロードの乗るバイソンを追跡する。

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現在2台が走っているのはダウンタウンをベイエリアに抜ける道路。ベイエリアへ抜けられる道路は2つあり、この道路はピアー69の前に出る事も出来る道路。となればタクシーの行先は必然的にピアー69方面に出る、ということだろうか。

クロードの予想は見事に的中し、タクシーはピアー69に差し掛かればそのまま停車する。
ターゲットであるステラはタクシーを降りればそのままピアー69へと入っていく。

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Cl「……ターゲットがピアー69に入っていった。どうする。」
Ki「そうね……そのまま車を降りて尾行できないかしら?」

クロードはこのまま降りてさらに尾行を続けるか、車に乗ったまま外でターゲットが出てくるのを待つかの選択をキンジーに委ねる。
彼からしてみればどちらも大したリスクの差はないと思っているが、キンジーからしてみれば降りての尾行は少しばかりリスクがあるものと考えている。
とは言っても、最終的にはキンジーはそのままゴーサインを出す。ピアー69で降りたということはおそらく誰かと落ち合うということなのだろう。

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クロードは適当な位置に車を止めれば、移動を進めるターゲットに小走りで距離を縮め、ギリギリ見つかるか見つからないかの間際という距離で相手を付ける。
幸いにもターゲットはこちらに気付いていない。いや、気付かれたら元も子もないのだが。
平日の午前中だというのにピアー69には観光客と思われる人たちや、憩いの場として集まってきたサラリーマンのような姿も確認できる。

ターゲットは階段を登れば、サンフィエロの北にある町々を望めるスポットに佇む一人の女性に声を掛ける。
青いドレスに赤いマフラー……どこかで見たような容姿の女性。クロードはそれを思い出せないでいたが、今はそこまで関係がないと判断し、任務に集中する。

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Tammy(Ta)「貴方…よね? KEOCにチャンネル6の情報を売りたいと言ったのは」
Stella(St)「ええ、そうよ。チャンネル6の情報をたんまりと貴方たちに売りたいの」

クロードは2人の会話がギリギリ聞こえる位置に着けば端末を取出し、会話を録音しつつ、キンジーにも聞こえるようにマイクをオンにする。

St「それはいいけど……1つ聞かせて。貴方はチャンネル6の記者、カーラ・ラダメスよね。違う?」
Ca「あら、KEOCも私のことは知っていたのね。ええ、そうよ。私がチャンネル6の記者」
St「自分の首が閉まるというのにどうしてこんなことを?」
Ca「私の故郷の国……どことは言わないけれどそこに帰ろうと思ってね。だから清算しようと思ったの。ちょうど貴方たちKEOCが西海岸に展開を始めると聞いたから都合がいいと思ってね」

2人の会話をどんどん記録して行くクロードの端末。彼の端末から2人の会話を聞くキンジーは驚いたような口ぶりで「嘘でしょう」と呟く。
クロードはそんなキンジーをよそに、2人の会話を端末に記録しながら聞く。

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Ta「貴方の情報を無駄にはしない…それなりの金額は払わせてもらうわ」
Ca「頼もしいわね。すべての証拠はイースターベイシンの倉庫に置いてあるわ。私の車で行きましょう?」

カーラとステラは共に行動を開始すればピアー69の駐車場へと歩を歩み始める。
クロードは一言「切るぞ」と呟いて端末を切れば足早に自分の車の元へと行く。

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駐車場から1台の黒い高級セダンが走り出せば中に2人が乗ってるのを確認してクロードは追跡をする。
平日の昼間、そしてビジネス街と言うこともあり交通量はそれなりに多い。隠れ蓑にするにはちょうどいいくらいだろう。

Ki「車はベイエリアを南下しているみたいね。見失ってないわよね?」
Cl「……距離は少し離れてるが大丈夫だ」

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ベイエリアを抜けて徐々に見えてくるのはイースターベイシンにある軍港。ここはメリーウェザーやアルターの私設部隊「マサコ」も使用する多用途の海軍の軍事施設。
空母や潜水艦もあるため、有事の際にはここが拠点となることもあるらしいが、数年前のゼン帝国の一件以来は特に大きな動きはない。
強いているならば1か月ほど前に起こった襲撃事件だろう。多くの武器やさまざまなものが盗まれたらしいが、報道こそ大きくされたものの、詳細はあまり詳しくはなされていない。

クロードは横目で地理を覚える時に通ったこの軍港を横目で眺めつつ、前方を走る黒いセダンを着かず離れずの距離で尾行を継続する。
さすがに港エリアとなったからか、バンやトラックの方が目立つようになったほか、ダウンタウンほどの渋滞は発生はしていなかった。

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ターゲットの乗るセダンはイースターベイシンの港エリアへと入っていく。
普段は労働者以外立ち入ることはほとんどない港エリア。
海外からやって来たであろう貨物船や、コンテナを運ぶためのトレーラー、輸入品や輸出品を運び込むトラックやバンと言った車両が多い中で
この高級セダン、ウーバーマフト・オラクルは少しばかし浮いているようにも見える。

クロードはターゲットの後を追うように港に乗り付けては、オラクルの後を追い、倉庫の前に車を停車させる。

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Cl「……この中か」
Ki「ターゲットが出てくるまでは待機してくれる?」

キンジーの指示を受けたクロードは車を倉庫前に止め、ターゲットが現れるのを待つ。
この倉庫がおそらくは、カーラが言っていた証拠品を置いた倉庫ということだろう。中にどんなものがあるのか、はたまたどんな会話が行われているのか皆目見当もつかないが。

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Ca「…車のエンジンを切って降りてちょうだい」

車のエンジン音で気付かれたのか、はたまた尾行に気付いていたのか。倉庫の近くに止めていたのだが気付けばガラス越しにサプレッサー付きのピストルを向けられる。
クロードも銃を持っているが、ここで銃を相手に向ければ状況は最悪になる。ここは素直に相手の言うことを聞いた方が身のためかもしれない。

Cl「……」

クロードは相手の言う通りに車のエンジンを切って車を降りる。
キンジーに変な心配をかけさせて面倒事にされるのも嫌だとクロードは感じたのか無線のスイッチを切り、相手の方を向く。
相手が手に持っている銃は9mm弾を使用するごく一般的なピストル。強いて言うならサプレッサーが取り付けられているということぐらいか。

Ca「私たちを付けていた様だけどどこからの回し者かしら」
Cl「……」

カーラの質問にクロードは沈黙を貫く。質問を投げかけたカーラはクロードを銃で押す。
仕事柄というよりも彼の口数が少ないのは彼の性格の部分が大きいだろう。だからこそ彼は運び屋としての実績を上げてきたわけだが。

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Ca「答えられないならそれでいいわ。そのかわり高くつくことになるわよ?」

カーラは脅しをさらに掛けるようにクロードに銃をピッタリとくっ付ける。零距離であるこの位置から撃たれたら仮に命は助かったとしても後遺症を負う可能性は十分高い。
さすがに不味いと感じたのかクロードは沈黙を破り口を開く。

Cl「……SAPDの連中だ」
Ca「あら、いい子ね。やっと話してくれた」

カーラは妖しい笑みを浮かべながら彼を舐めるように眺める。クロードは心底カーラに気持ち悪さを覚えつつ、相手の様子をうかがう。
そういえば、とクロードは付近にメインターゲットであるステラ・ブラウンが見当たらないことに気付く。

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St「カーラ、実演する必要はないと思うんだけど」
Ca「貴方が見たいと言ったんじゃない。でもまぁいいわ……この辺にしてあげる」

居ないものだと思っていたステラ・ブラウンが姿を現す。
彼女は救いの女神なのか、はたまた悪魔なのか。この状況では判断をしかねるが少なくともこの2人はクロードに殺意があるわけではなさそうだ。

カーラは銃を下ろせば太ももにあるホルスターに仕舞う。ステラは怪我はないか、とクロードに近づけば無傷のクロードを見て安堵の溜息をつく。

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St「こういうことするつもりじゃなかったんだけど、カーラが貴方の尾行に気付いてね。それでこんなことになったのよ」
Cl「……俺の上司もこんなやり方しかできない達でな。悪かったな」

ステラの気遣いにクロードは少し照れくさくも感じつつ、その場に適切な相槌を打つ。
テレビでは絶対に見ることも感じることもできない、人の性格。それを肌で直接感じる。

Ca「証拠はこの倉庫に置かれてる物すべてよ。好きなように使いなさい。私はそろそろ飛行機の時間だから行くわね。もし何かあればメールをちょうだい」

カーラはそんな2人を他所に一言告げれば愛車であるオラクルに乗り込みその場を去っていく。
チャンネル6の記者、カーラ・ラダメス。今回のこの一件はある意味彼女に踊らされていたのかもしれないとクロードは考えるのだった。