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Claude(Cl)「……いきなりやるとはどういうことだ」
Kinzie(Ki)「ダメだったかしら?」
Cl「……さぁ、わからない」

とりあえず何があったかは察しておくとして2人は夕食を取るためにリビングへと移動する。
既に時刻は夜の8時を迎えている。実に数時間にも及ぶ……おっと。
さて、では何故このようになったかといえばクロードがステラ・ブラウンと連絡先を交換したからという実に「どうしてそこで嫉妬する」と聞きたくなるような理由ではあるが、キンジーの性格では無理もない。

Cl「もう少しお前のことを知ってからじゃないと難しい」
Ki「つまりどういうことかしら?」
Cl「……次も考える」

かみ合わないようでかみ合っている会話。
この2人は互いで互いのことを理解しているとは言いきれない。つまりこの時点で”仕事上の関係”だったのが”プライベートな関係”へと変わったという事だろう。

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Ki「私も貴方の過去をもっと知りたいわ。そうね、この際2人で昔話でもする?」
Cl「……」

クロードは黙って「構わない」と言わんばかりに頷く。
2人とも過去を話すのを躊躇う後ろめたさもあるわけだが、それさえも気にならないほどには互いを信用するくらいにはなっているのだろう。
サンフィエロにおいて初めてまともに会話をしているのはキンジー。と、せいぜい知り合ったばかりのステラくらい。

Ki「貴方は知らないでしょうけど私は元々FIBのバックアップをやっていたの」

キンジーはゆっくりとクロードに自分の昔話を語り始める。
彼女は元FIB捜査官だった。しかし”とある一件”が原因でFIBを首になった。そこを彼女の腕を見込んで拾ったのが今の上司ともいうべき四季。
四季映姫はキンジーにとっては命の恩人とまではいかないが自分を理解してくれた数少ない人間の1人。そこからキンジーが四季をリスペクトし、四季がキンジーをリスペクトする関係が生まれた、ともいえるだろう。

キンジーはこの他にも自分がしてきた仕事やハッカーのコミュニティに入っていることなど普段では絶対に語らないであろうさまざまな事柄をクロードに話す。

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Ki「次はあなたの番よ?」
Cl「……そうだな」

クロードは静かに一言、そう答えればこれまた静かに語り始める。
彼がこれまでにしてきた様々な仕事の数々。時には人を殺め、時には航空機支援を、時にはなりすましを行ったりと様々な事をこなしてきた。
そして極め付けは――

Cl「……IAA現長官、レイラ・モートンの仕事を受けたこともある」

彼が次に語ったのは彼がIAAから狙われる”核心”ともいうべき事柄。この事柄なしで彼を語ることはできないだろう。
クロードの口から語られる事柄はすべて、以前妹紅がトゥルースから聞いたすべての事柄と一致していた。
前長官を事故に見せかけて殺す……それがレイラがクロードに依頼した仕事なのは事実だったということだ。

しかし何故、トゥルースがこの事実を知っていたのか。
疑問に残る部分も多いが、それは置いておいてキンジーはクロードがやっと話してくれたこの”事実”を聞いて少しばかし安心と嬉しさを感じていた。

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Ki「貴方の話が聞けてよかったわ。お互いで互いのことをあまり知らなかったもの」
Cl「……少しはお前とは居やすくなったかもしれない」

互いに互いの過去を打ち明け合うことで共に居ることが苦ではなくなった2人。
共に何かを抱えるというのは同じわけだ。それを共有することで多少は肩の荷も下りたのかもしれない。



サンフィエロ ベイエリア ピアー69
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NOOSE「こちらアルファチーム、配置に着きました」
メリーウェザー「こちらも総員配置に着きました」

シンジケートの面々がピアー69に揃いに揃って集会を開くという情報を掴んだレイラはNOOSEとメリーウェザーをここ、ピアー69に回すのだった。
昼下がりのピアー69。もちろんここベイエリアは多くの交通量や人通りがある通り。
ここ最近治安が著しく悪化しているのを市民たちは薄々感づいているとはいえ、このピアー69が物々しい雰囲気に包まれているのを黙って見過ごすことはしなかった。

市民のブリッターには「ピアー69にNOOSEやメリーウェザーが居る」と言った内容のポストが多数呟かれ、その危機的状況を肌で感じる者が多かったという事だろう。

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NOOSE「長官からの命令だ。その場に居るであろう”霍青娥”だけは殺すなと言う命令だ」

配置に着いたNOOSEアルファチーム隊長が次に出す指示は突入ではなく、シンジケートの面々の1人、トライアド首領霍青娥だけは殺すなというもの。
これはつまりどういった事なのだろうか。もちろんそんなことは彼らNOOSEやメリーウェザーに教えられるわけはないのでその理由と言うのは一切わからない。

NOOSEとメリーウェザーが配置されたはすべてピアー69を取り囲むような形で配置されている。
つまりは完全に包囲する形で配置されているという事だ。敵は一か所に固まっている。このまま一網打尽にする手筈だ。逃げ道は海だけ。まさか流石にわざわざ海に逃げる輩はそうそう居ないだろう。

NOOSE「総員、突撃!!」

その一言でNOOSE、そしてメリーウェザーがターゲット目がけて銃を構えながら突入して行く。白昼下におけるこの襲撃はおそらくしばらくは様々なメディアに騒がれることになるだろう……。



――ところ変わって

サンフィエロ ダウンタウン
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とあるヘリポートも隣接されているこのサンフィエロのダウンタウンにあるこのビルの屋上に佇むのはIAA長官レイラ。
サンフィエロへと直々に赴いた彼女はピアー69の方を見ては嬉しそうな笑みをこぼす。

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Layla(La)「今頃奴らこっぴどくやられている頃でしょうね」

NOOSE、メリーウェザーの襲撃を手引きしたのは他でもない彼女だ。
邪魔者であるシンジケートの面々……スカーレットグループ、アルター社、ルチャドールズ、ホワイトロックファミリーを纏めて消すことができるのだから。

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La「トビアス……”ヤツ”の足取りはつかめたのかしら?」
Tobias(To)「ええ、潜伏先も掴んでいますが、SAPD……そしてFIBが彼を警護しているようで迂闊に手出しはできません」

流石はIAA。情報収集には手慣れているようで既にクロードの隠れ家を突き止めているようだ。
もちろんトビアスの説明にある通り、FIBとSAPDによる手厚い警護……いや、監視と言う表現が正しいだろう。
そんな分厚い壁がある以上迂闊に手出しはできない。となると隙をついて行動するしか道は残されていないわけだ。

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To「部下に見張らせています。隙が出来次第刺客を送らせるつもりですが……」
La「生け捕りにしてちょうだい。直接会って話しておきたいの」

口封じならわざわざ生け捕りにする必要は全くない。ところがそこをレイラは何故か生け捕りにするように指示をする。
彼女が理由なしにこのような無意味な指示を出すとは思えないので恐らくは意味があっての事なのだろう。