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サンアンドレアス上空
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サンフィエロ国際空港を経ち、片道1時間。
ロスサントス国際空港に向かうこの貨物機の中ではIAAエージェントと妹紅による攻防が絶えず行われていた。

”クロード・スピード”を巡るこの戦闘は絶対に渡さんとするIAAエージェントと何としてでも連れ戻そうとする妹紅とで激しい銃撃戦に発展。
数では断然IAAの方が有利ではあるが、経験で言えば妹紅の方が断然豊か。
融通が利く上に武器の扱いにも手慣れている妹紅。その差は激しいもので気付いたころには既に格納室内の敵は排除できていた。

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妹紅「……」

妹紅はキャビンに侵入すれば壁に沿うようにしゃがみこみ会話を聞く。
この先にクロードは居る。レイラと共に。もちろん銃撃は避けては通れないだろう。
妹紅は手に持っているSMGを握り直せば様子を探るように耳を傾ける。どんな会話が繰り広げられているのかを確認するために。

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Layala(La)「そう、報告ありがとう」

飛行機の客室内でゆっくりくつろぎつつ向かい合った席に腰掛けているレイラ。
何故ここに居るかと言えばこのIAAが所有する貨物機でロスサントスからサンフィエロへとやってきたわけだ。
彼女の目的は「シンジケート」への処罰を見届けるのと同時にクロードを直接話を付ける為に自ら重い腰を上げて訪れていたわけだ。

La「シンジケートへの襲撃は失敗……でも彼を捕まえる事が出来たわ」

レイラは向かいに座っているクロードを足元から舐めるように眺める。
既に意識は取り戻しており、拘束も解いてある……が、彼女の部下に銃口を向けられており、逃げ出せば脳天に一発撃たれるのがオチ。つまりこのまま彼女の言いなりになるしかないということだ。
とはいえ、このまま彼女のご機嫌を取っていたところでいずれ殺されるのは確実。ならわざわざ彼女の機嫌を取る必要はないだろう。

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La「ひさしぶりね、クロード・スピード。こうして話すのは”あの時”以来かしら?」
Cl「……」

クロードはただ黙って相手の顔を覗き込む。自分の手を汚さず、そして優越感に浸ることもできてなおかつ威張り散らすこともできる。
金も権力も手にし欲望に渦巻かれた者の顔とはこういうものだろう。

La「貴方には消えてもらう必要があるわ。でも最後に1つチャンスを与えようと思うの。貴方の回答次第では生かしてあげるわ」

金、権力。次にレイラが手にしたのは”人の生死を決める事”だ。
このような尋問で数多くの人を絶望の淵から救いやったと思わせて再び突き落としてきたのだろう。

Cl「……どんなことであってもお前の言いなりにはならない」

クロードはレイラが本題を切り出すその前から否定的な答えを出す。思えばこの女の言いなりになったからこそ、今ここでロクでもないことになっているのだ。
ならばわざわざここで再び彼女の言いなりになる必要などないのだ。

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La「ずいぶん強気ね」

レイラは面白おかしそうな笑みを浮かべた次には自らピストルを取出し銃口をクロードに向ける。つまりは脅しということだろう。

La「貴方の度胸、惚れてしまいそうね」

精一杯の皮肉を込めて銃のトリガーを引こうとした次の瞬間――

バンッ!!バンッ!!

銃声が響き渡る。しかしこれはレイラがクロードに向けて銃を撃った音ではない。
この銃声の答えを指し示すかのようにレイラの部下が鮮やかな鮮血を流しながら絶命する。

そう、妹紅が客室に突入したのだ。レイラは咄嗟に椅子の後ろに隠れ、カバー体制を取る。ここで死んだら元も子もない。
クロードはそのタイミングを逃すことはしなかった。駆けだすようにハッチの方に駆けだす。

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妹紅「そこまでだ!!レイラ・モートン!!!」

すれ違いざま、妹紅はクロードに「早く脱出しろ」と耳打ちすれば単身クロードを機内後部へ追いやりながら自らは前へと進む。

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La「誰の差し金か知らないけれどロスサントス行きの貴方のチケットはないわよ」

レイラの声と同時にUMPで武装したレイラの部下たちが手当たり次第に妹紅に攻撃を開始する。

ダダダダダダッ!!

絶え間なく聞こえてくる銃声。絶対絶命ともいえる状況だが、経験豊富の妹紅であればこのような状況でも奪回することは可能だろう。

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敵が落としたハンドガンを拾い、ゆっくりと機体後部に敵に極力気づかれないように向かうクロード。
先ほどある程度は妹紅が倒したとはいえ、まだ居ないとは言いきれない。輸送機には得体のしれない箱や数台の車が積み込まれている。いずれもIAAの備品なのだろう。
後ろにこのまま留まり続けても仕方がない。クロードはハンドガンを片手に構えつつ、積荷を物色し始める。目的は盗みではなくパラシュートを探す為。

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IAA「居たぞ!!」

物色していれば背後から聞こえる声。IAAエージェントはこちらの動きに気付き、手当たり次第に武器を手にしてこちらに撃ってくる。
ここまで来ると生け捕りどころではなく始末を優先し始めているのだろう。手当たり次第にクロードに向けてUMPを撃ち続けてくる。
伊達にクロードも窮地を潜り抜けてきたわけではない。すぐさまハンドガンを構えて応戦し、手当たり次第にぶちまけてくるIAAの頭を撃ち抜いて行く。

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Cl「……手間を掛けさせるな」

クロードは第一波ともいうべきIAAエージェントの始末を終えると幸いにも丁度良くパラシュートを見つける。これで後は飛行機のハッチを開けて飛び降りるだけ。

IAA「ハッチに向かったぞ!!急げ!!」

一体この輸送機には何人のエージェントが乗っているのだろうか。第二派が此方に向かってくる。流石にこの人数を相手するほどの弾薬はない。
幸いにもハッチを開けることには成功しており、後は飛び降りるだけ。早々にクロードはハッチから飛び降りれば貨物機を後にする。

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流石にパラシュートを使ってまでも追跡してくる肝っ玉のあるエージェントは居ないようで、安全といえるような状態。
とはいっても既に陽は沈みきっており、あたりは暗く確認のしようもない上端末は捕まった時に取られたようで連絡できる状況でもない。
そして今ここがどこの上空なのかも全くわかっていない現状だ。

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パラシュートを開き、ゆっくりと降下していく。そして地面に着地するのだが、やはりここがどこかなんて皆目見当もつかない。
周囲には明かりと呼べるようなものもロクになく、果たしてここがサンアンドレアスなのかもいよいよ怪しくなってくるような状況だ。

Cl「……参ったな」

手持ちにあるのは奪ってきたハンドガンと数ドルがポケットにあるだけ。
タクシーを拾おうにもこの田舎では簡単には見つからない上にさらに拍車を掛けるように携帯がないが為に呼ぶこともできない。

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クロードの居るこの山岳地帯に近づいてくる1台の古いバン。
独特のペイントが施されたこのバンはかつて”マザーシップ”とヒッピーたちに言われていたBF・サーファー。

持ち主はそう―――

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Truth(Tr)「待ったか、若人よ」

そう、このペイントでこの”キャンパー”とも言われるようなバンの持ち主と言えば彼、トゥルース以外に居ないだろう。
何故彼がクロードがここに来るのを見知って訪れたのかそれを知るのは彼自身。丁度雨も降り始めた所、以前にも何度か会っているのだここは彼について行くのが賢明だろう。

Cl「……待ってはいない。どうしてここに居るんだじいさん」
Tr「”ある奴”からお前がこの辺に降下してくると聞いてな。しばらくはお前さんも街には戻れないだろう?」

トゥルースの車に乗り込みつつ、クロードは何故トゥルースがここに来たのかを尋ねる。
つまりトゥルースが自ら察してここに来たというわけではなく誰かに指示を受けてここへ来たという事だ。その”誰か”は皆目見当もつかないが。
2人はサーファーに乗りながらゆっくりと彼の農場へと目指す。

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ラジオ「KEOC YOUR EYES ON THE CITY ――本日正午過ぎ、サンフィエロのピアー69にて大規模なNOOSEとメリーウェザーの出動があった模様です。
現在、SAPDが調べを進めていますが大きな銃撃戦に発展した他、多くの目撃者もおり、銃撃戦の模様がインターネット等にもアップロードされているようです。
また同様にサンフィエロ国際空港でも銃撃戦が行われていたという情報もあり、此方も現在SAPDが調べを進めているようです――」

KEOCのラジオが報じるのはサンフィエロで起きた銃撃戦。この報道されている内容が事実なら今日だけで2回も大規模な銃撃戦があったということになる。
1回はもちろん、クロードがトリガーとなって起きた空港での銃撃戦。しかしもう一方でピアー69でも銃撃戦が起きていたとは初耳だ。

2人は黙ってラジオが報じる事件の概要を聞きつつ、お互い口を開くことなく暗い夜道を進んでいく。その先に広がるものが何か、見当もつかない。