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ロスサントス ダウンタウン
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幽香「……懐かしい名前ね」

シンジケートから裏切り者を追い出し、しばらくは政府からの攻撃を受けることもなく平穏な生活を送っていた幽香。
移動用のリムジンでアルタービルから経つ前に手渡された資料を車内で取り出せばそこに入っていたのはクロード・スピードにまつわる書類と数枚の写真。
ここだけの話だが、かつてアルター社はこの男に襲撃をされたことがある。と言っても彼の意思によるものではなく何者かによる依頼だったようだが……。
その戦闘スキルはおそらく時と場合、条件によってはアルター・マサコチームをも上回るものだろう。でなければ負傷者が出るわけがないのだ。

幽香はその書類と写真を見つめる。彼と最後に仕事をしたのは何時だったか。記憶にある限り彼が20になったばかりの頃だったのでおそらく2年ほど前だろう。

何故、幽香が彼にまつわる書類を集めているのかと言えば、彼女の独自の情報筋からIAA長官が彼と関わって居たと言う情報を掴んだからだ。
これはもちろん彼女の独断によるもので、射命丸文をはじめとしたシンジケートの面々には内緒となっている。
この情報を知ることができるのは限られた人間のみ。知れば厄介なことになる。シンジケートの面々が面倒事に巻き込まれるのを避ける為に幽香が決断をした結果だ。

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幽香「……おそらく射命丸も彼のことは知っているはず。けれど接触はなし……なにかカラクリがありそうね」

リムジンの窓の外を見つめる。スモークが掛かっているリムジンだが何も見えないわけではない。ウィンドウ越しにロスサントス・ダウンタウンを見渡す。
犯罪も多く発生する街だがその分だけ警察も非常に働いており、警察がいろいろと面倒なことも多い。幽香にはそこまで関係のある事ではないが。

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幽香「今、彼の居所は突き止められているのかしら?」
秘書「現在調査させてますが消息不明です。どうやらサンフィエロを出てしまっているようで」
幽香「どういうことかしら?」
秘書「襲撃に遭った、ということらしいですが現段階では何も」

おそらくIAAあたりが彼を襲撃したのだろう。都合が悪い人間をすべて消すのがIAA長官、レイラ・モートンのやり口だからだ。
でもそんなレイラの暗殺を何度も潜り抜けているともなればクロード・スピードが死んだとは到底思えない。消息不明と言うことはおそらくどこかに潜伏しているのだろう。

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幽香の乗るリムジンは高速道路を通ってとある場所へと到着する。
ロスサントス東部にあるスタジアム……ここでは様々な競技が行われており、中でもHotling Raceというレースが大人気である。
その他、サンフィエロにあるスタジアム同様、モンスタートラック競技も行われていることで名が知れている。

何故幽香がここを訪れたのか。不動産関係の仕事というわけではなさそうだ。他に考えられる理由と言うのは誰かと会うためだろう。

幽香「待たせたかしら?」
?「いえ、丁度来たところなの。気にしないで」

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1台のSUV…スカーレット・アトランティカに横づけて見ればアトランティカに寄りかかりながら此方を待っていたかのように出迎える1人の女性。
一件奇抜なファッションにも見えるがそこまでではないようだ。

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幽香「貴方のような人に仕事を頼むことはほとんどしないし、呼び出したのは仕事ではないの。けど少しお話、付き合ってもらえるかしら?」
?「仕事の話じゃないのね。でも”お話”くらいならいいわ」

幽香はリムジンに乗るように促すと女性は幽香のリムジンへと乗り込み隣へと座る。
流石はパーティーや要人の移動に使われるだけあって車内はベース車両と比べるとかなり乗り心地が良くなってる。
インテリアにはシャンパンと言ったアクティビティ用の物も数多く置かれているようだ。

?「それで何の”お話”がしたいの?」
幽香「貴方クロード・スピードとは知り合いよね?」

この女性は”ビッキー”と言う名前で知られている女性。本名や素性は不明な点が多いのだが、さすがはアメリカを代表する企業。
情報収集能力は某国のスパイのように非常に長けているようだ。
さて、どこで手に入れた情報なのかはわからないが図星を突かれたビッキーは一瞬顔を強張らせる。今まで誰かからそんな話をされたことはないのだから。



ウェットストーン 農場
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Claude(Cl)「……じいさん、電話借りるぞ」
Truth(Tr)「ああ、好きに使え」

ウェットストーンにある農場。ここはトゥルースが所有する農場で彼が拠点として使っている場所だ。
パラシュートで降下後、トゥルースの迎えによってこの農場までやってきたクロードだが、端末はIAAに奪われてしまっており、連絡する手段を持っていない。
となればトゥルースに頼んで使える端末を使用する他ないのだ。幸いにもトゥルースの家には古い電話があるようでクロードはそれを使ってキンジーに連絡を取る。

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Cl「キンジーか?」
Kinzie(Ki)「無事だったのね、クロード…!」

クロードの声を聴けば安堵の溜息をつくキンジー。無理もないだろう、彼の死はIAAに対する対抗手段を失う事となるのだから。そして彼女の――。

Cl「しばらくじいさんのところで厄介になる。落ち着いたらサンフィエロに戻るつもりだ」
Ki「わかったわ。そう伝えておくわね。……くれぐれも奴らには気を付けて」

キンジーにトゥルースのところでしばらく潜むことを伝える。しばらくの間都市部に戻ることは賢明ではない。
そういえばクラッシュした愛車のバイソンはどうなったのだろうか。いろいろ気になることはあるが2、3日は潜んでいる方が安全だ。

Ki「そうえいばあなたを助けに行った女性がいたでしょう? どうなったかわからない?」
Cl「……悪いな、俺にはわからない。あそこで死ぬような命(たま)じゃないと思うがどうなったか……」
Ki「そう……」

慧音が妹紅の安否を確認しているが、クロードの命の恩人ともいえる妹紅をキンジーが心配しないわけはなかった。
もし彼女が居なければクロードは始末されていた可能性もあったのだから。その彼女も慧音の口からは「行方が分からない」とだけ告げられている。

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Ki「そういえば貴方の車だけど州警察に回収してもらって修理しているわ。いつ戻ってくるのかわからないけどその頃には修繕が終わってるはずよ」
Cl「悪い、助かる。俺の方で出来ることがあればいいんだがな」
Ki「気にしないでちょうだい。いずれ埋め合わせはしてもらうわ。今は奴らに見つからないようにすることを優先して」

キンジーはそれだけを告げると電話を切る。予定はいろいろ狂ってしまったが、しかたがないことだ。
そしてそのまま電話を仕舞うことはせず、次なる所へとコールを掛ける。相手はFIBエージェント、慧音だ。



サンアンドレアス上空
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FIBが保有しているビジネスクラスのジェット。
どうも政府機関は黒に白と言ったカラーリングを好むようで、このバッキンガム・ミルジェットも黒に白というカラーリング。
一見すれば大統領専用機の様なカラーリングに見えなくもないことは否定できない。

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慧音「そうか、報告ありがとう。ミスケンジントン………この様子だと妹紅はレイラ・モートンに捕まえられた可能性が高いな」

慧音はロスサントスに向かうこのジェット機の中でキンジーからの連絡を受ける。
内容はもちろん妹紅の事だ。やはり状況から見てレイラ・モートンに捉えられている可能性が非常に高いだろう。
キンジーとの連絡を終えれば携帯を片手に持ったまま黄昏るように窓を見つめる。元々巻き込んでしまったのは自分だ。
このような結果になってしまったことに責任を感じているのだろう。

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無慈悲にも飛行機はロスサントス国際空港へと着陸する準備へと移るまで残り10分を残すほどになった。
ロスサントスとサンフィエロは飛行機でおおよそ1時間程度の距離故だ。

もしこのまま何も行動を取らなければFIBを強請るネタとして妹紅が使われるに違いはないだろう。
レイラ・モートンがそれをネタにどんな要求をしてくるのか皆目見当もつかない。先手を打たなければと、焦りばかりが募る。



ロスサントス IAAビル
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Layla(La)「トビアス、”人質”の準備は出来ているかしら?」
Tobias(To)「ええ、できています。”人質”をネタに我々に探りを入れてるFIBの上白沢に一泡吹かせることも可能かと」

ロスサントスに戻ってきたレイラとその秘書であるトビアスは思わぬ手土産を手にすることに成功する。
――藤原妹紅。元々のターゲットであったクロード・スピードを救出するために乗り込んできた人物だが、彼女は脱出に失敗しIAAに囚われの身となった。

さすがはFIBに雇われているだけのプロ。ちょっとやそっとの拷問で口を割ることはしないように教育されているようだ。
拷問と言う手段で口を割らせようとしたところでFIBの教育を受けたプロが口を割ることはしないだろう。
となれば彼女を人質に、FIBを強請った方が遥かにこちらに好都合。レイラはそれを見越して彼女を殺さなかったし、拷問を掛けるような真似もしなかった。

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La「至急FIBの上白沢に繋いでちょうだい」

レイラは受話器を取ればトビアスにFIBの上白沢慧音に繋ぐように指示。
IAAとだけあってやはりすぐに特定の人物の連絡先を割ることができる。まずはFIBに何をさせようか。
すべての駒や戦局はこちらに向いている。思い通りに動かすことが可能だろう。どれだけ人を手玉に取るのが楽しい事か。極悪非道の道を進むばかりだ。