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サンフィエロ郊外 ウェットストーン ゴミ集積場
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Lester(Le)「準備は出来てるな? しっかり説明した通りにやってくれ。イレギュラーも想定のうちだ」
Mac(Ma)「了解だ、レスター」
Franklin(Fr)「準備出来てるぜ」
Edie(Ed)「俺もOKだ」
Le「一丁派手にやってきてくれ」

1台の黒いバンと1台の乗用車でこの場所を訪れる3人のメンバー。バックアップはレスターだ。時刻にして深夜3時半を過ぎたころ。

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場所はロスサントスよりもサンフィエロの方がほど近い、チリアドさんの麓付近にあるウェットストーンのゴミ集積場。
普通、こんな場所深夜でなくても訪れないが、目的があって今回は訪れている。ゴミの山はどう考えても悪臭を放つが贅沢を言ってはいられない。人を助けに来ているのだから。

ここは政府が干渉している場所ではないようだが敷地はそれなりに広く、ゴミ収集車が定期的にこの場所にゴミを捨てに来る時以外はほぼ人は訪れない。
IAA、それも長官のレイラ・モートンのコネでおそらくこのゴミ集積場の一角を借りているのだろう。

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まずはフランクリンが乗用車に乗り込む。この乗用車には仕掛けがしてあり、遠隔操作による爆破が可能だ。用意したのは敵を吹き飛ばすのと同時に注意を逸らすためだ。
予め、傍受装置で位置を確認した限り、妹紅が居るのはおそらく一番奥にある倉庫。一番目につかない場所なのを考えればIAAは妥当な判断をしていると言えるだろう。

Le「フランクリン、予定通り倉庫の近くに車を置いてどっかに隠れて起動してくれ」
Fr「了解だぜ」

フランクリンは護衛のIAAエージェントが気付くか気付かないかのギリギリのところで車を止めればゴミの山の影に隠れて起爆装置を片手にマックたちに合図を送る。

ピッ。

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ドーン!!!!

起爆装置を起動し、C4粘着爆弾をトランクに大量に積んだ車爆弾を爆発させる。
車はすぐさま爆発、炎上しその騒動を嗅ぎつけたIAAがこちらに向かってくるのと同時にフランクリン、そしてマックとエディの3人が銃を手にして敵に向かって鉛玉をぶち込んでいく。

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Ed「これでもくらえ!!!」
Ma「こいつらは相手する!!フランクリン!!ターゲットの確保を優先してくれ!!」

エディとマックがIAAのエージェントの相手をする間にフランクリンはその指示を受けて敵の目を避けつつ、一番奥にある倉庫へと向かう。
彼女が傷を負っているのか、それとも無傷なのか全く見当もつかないが、願わくは武器を使えるくらいだと助かるのだが……。

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外ではけたたましい銃撃の音が激しく聞こえてくる。一方で倉庫はIAAのエージェントが見張りもつかずに敵の対処に行ってしまったのか誰もいない。
頭の賢いIAAの上層部と違ってエージェントたちは単純というか……。都合が良い事に違いはないのでフランクリンは駆け足で妹紅に近づく。

Fr「アンタが妹紅か?」
妹紅「……ああ、そうだけどお前は?」
Fr「アンタを助けるように指示された者って言えばわかるか? 立てるか?」

妹紅はフランクリンの呼びかけに怪訝そうな顔で応じる。また新たな敵とでも言いたそうだ。もちろんこちらは敵ではないのですぐに敵ではない旨を伝える。

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妹紅「ああ、体力は温存してある。とりあえず私の心配はいい、今は外でドンパチやってるんだろ? そっちを片付けよう」

妹紅はフランクリンを見つめつつゆっくりと腰を上げる。服に多少の汚れはあるが特に外傷や傷は見受けられない。暴行をされていたわけではないようだ。
フランクリンは妹紅に予備の銃であるMP5を渡し、自らはメイン武器であるM4を持つ。外ではマックとエディが抗戦状態のはずだ。

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Ed「クソ、キリがねぇ!!こいつらどこから沸いてきやがる!!」
Ma「これでも喰らえ!!」

激しい銃撃戦が展開されている深夜のゴミ集積場。妹紅1人の警護の為にしては異様なほどにまでIAAエージェントが居る気がしてならない。
もしかして妹紅の存在以外に何か守るべきものがあってこうしているのではないかとマックは睨む。
IAAエージェントの数を減らすために手榴弾を投げつけるマック。気付いた者が咄嗟に回避行動を取るも、空しく散っていく。

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Fr「やっと片付いてきたな」

M4でIAAエージェントを蹴散らしながら妹紅と共にマックたちとの合流を図るフランクリン。
1人1人の技術は未熟なようでギャング上がりのフランクリンや、銃撃特化型とは言えないエディやマックでも十分に対応できるほどのスキルしか身に着けていないエージェントたち。
もちろんその方が仕事としては楽なのだが、数がまとまってこられると厄介に変わりはない。先ほどの手榴弾である程度数が減ったのか、やっとこ銃弾の弾幕の切れ目が見えてきた。

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Ma「増援が来る前にさっさと引き上げよう」
Ed「それが賢明だな」

敵を全員始末したのを確認すれば、マック、フランクリン、エディの3人で妹紅を守りつつ、乗り付けてきたバンの元までかけて行く。
連絡される前にすべて絶ち切ったからか、増援と言う増援は確認できない。もちろん長居は無用なのでさっさと立ち去りたいところだが、まずはどこに行けば良いのだろうか。

Ma「レスター、これからどこに行けばいい?」
Le「ターゲットの確保は済んだみたいだな。とりあえずはサンフィエロの拠点まで来てくれ。追手には気を付けろよ?」

レスターの指示を受け、とりあえずは一度インスティンクトの拠点のあるサンフィエロのガレージまで戻ることに決める。
今のところクライアントからここに連れてきてくれ、という明確な指示はでていないので当たり前とも言えるだろう。

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4人はバンに乗り込み、北にあるサンフィエロに向けて出発する。妹紅は相変わらず無愛想な表情だが、嫌っているというわけではないのだろう。
日数にしておおよそ1週間以上、10日近くも監禁されていたのだ、疲れているに違いない。今はそっとしておいてあげるのが彼女の為だろう。

Fr「報酬はかなり弾みそうなんだよな?」
Ma「ああ、そうじゃなかったらこんな仕事は受けないよ」

エディの運転で助手席にマック、後部座席というか後ろの荷台部分に妹紅とフランクリン。
朝の4時を過ぎたと言う事だけあって交通量は皆無に等しく、すれ違う車はほとんどいない。目撃者がその分だけ少ないのでその方が好都合だ。

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Ed「妹紅と言ったか。どういう経緯でIAAに捕まったんだ?」
妹紅「……単なる人助けさ。少し自分の力を過信し過ぎてたみたいでな」

エディの問いかけに応じる妹紅。少しはこちらに心を開いてくれた、ということだろうか。
妹紅の話では人助け、と言う事らしいがどういう意味だろうか。後悔と言う部分もあってか自分の力を過信しすぎて招いた今回の結果を悔いているようだ。
あまり触れないのが本人の為だ、エディは気を遣ってそれ以上の詮索をやめる。

というよりも厳密に言えば、妹紅からあれこれ詳しく聞き出すことはクライアント側から禁止されている、というのが正しい。
このまま追手も来る気配は0、おそらく相手が気付くのはすべてが終わってから。
マックたちからすればIAAがどうなろうが、政府情勢がどうなろうがあまり関係はないが、多少、このような形とはいえ干渉しているので今後のIAAの動向を少しばかし目を見張る必要はあるだろう。

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Ma「ん…? 電話か」

拠点であるロックスター・ガレージを目指している途中、マックの携帯に連絡が入る。画面に表示されている名前は霧雨魔理沙。
今回ファビアーノと魔理沙には傍受装置の配達を頼んだのみで、妹紅奪還作戦自体には参加していないのだが、何かトラブルでもあったのだろうか?

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Ma「俺だ、魔理沙。なにかあったのか?」
魔理沙「別にそういう訳じゃないんだが、ファビやアリスと一緒に妹紅を匿えそうなアパートを見つけたんだ。位置はGPSに送っておいた。私たちは先にそこに行って待ってるぜ

魔理沙はそれだけを告げると電話を切る。こちらがそちらに行く、とも行かないとも答えていないのだが致し方ない。

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Ma「レスター、聞いてたか? ガレージじゃなくてファビ達が用意したアパートに向かうよ」
Le「ああ、了解した。位置はこっちでも特定できてる。少なくともガレージに来るよりも良い判断だと思うぞ」
Ed「マック、道案内は任せたぞ」
Ma「まずはチャイナタウンの方に向かってくれ」

GPSにセットされて居るのはサンフィエロのチャイナタウン。どうやらその辺りにある空き物件をファビ達は見つけたようだ。
マックはまずはチャイナタウンに向かうようにエディに指示する。それを受けてすぐにエディはチャイナタウンに向けて車を走らせていく。

兎にも角にも、まずはこちらの身の安全を確保しつつも、第一に妹紅の身の安全を守る事が優先事項。彼女に万が一のことがあればすべては水の泡になってしまう。
そう言った意味でガレージは確かに足が付きやすいので妹紅にはファビ達が見つけてきたアパートで一時的に過ごしてもらうのが一番良い。
一行はチャイナタウンに進路を変えて夜が明けて行く空を横目にサンフィエロへと向かっていく。