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サンアンドレアス 詳細不明
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Zinyak(Zi)「内側から崩していくというのは実に美しい」

部下からの報告を受けとり、上機嫌なジニャック。
そう、彼が送り込んだ”弱者”が彼が望んだ通り、”転覆”させそして”強者”の足場を完全に崩し、逆転させたのだ。

いずれ必ず壁となりえるであろうジニャックの敵。彼らの一部をゆっくりと、時間を掛けて崩していく。いずれはそのすべてを破壊し尽くす。反逆者にはお似合いの末路だ。

彼が用意した”新しいおもちゃ”を使えば人間の深い底で横たわる”恐怖”を増幅させ、そしてゆっくりじわりじわりと蝕ませ、そして破壊できる。
これほど楽しいと感じたのはいつ以来だろうか。もし壊れてしまえば新しいものを用意すればいい。それだけのことだ。同じ恐怖を何度も何度も味あわせて壊すのは実に気味が良い。

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Zi「”シップ”に取り付けた装置の数を報告してもらおう」
兵士「現在”シップ”に取り付けたシミュレーション起動装置ですが、全体の60%のコンバートが完了。早ければ1週間以内に全てのシップに取り付けが可能です」

”シップ”とはゼン帝国が所有する小型の宇宙船の1つで、主に輸送面と攻撃面で活躍している。これはゼン帝国自らが開発した代物で性能などはお墨付き、と言っても過言ではない。
兵士が言う”シミュレーション起動装置”を何故、この”シップ”に積み込んでいるのかは定かではないが多かれ少なかれエイリアン反対派の人間がさらわれていることが関係しているのだろう。



サンフィエロ ドハティ サプリ製造工場
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Sasha(Sa)「ボス!これ見てもらえませんか!」
Tylor(Ty)「サーシャ、パソコンのことならアタシは……」
Sa「じゃなくて、これですよ!」

レティとヴィタリーの2人を受け入れて既に12時間は経過しただろうか。
流石にラスベンチュラスからサンフィエロという長距離を自殺行為とも言える嵐の中、一休みもせず走ってきたのだろう。時間も時間ということだけあって2人は就寝しているようだった。

一方でサーシャは基本的に睡眠をあまりとらない、と言っても2日に10時間程度は寝ているのだがその一方でボスは睡眠こそとれど仮眠程度な物であまり睡眠と言うのを好まないようだ。
2人はそれぞれ深夜からやるべきことをやりつつ、時折休憩をはさんで次の計画を考えつつ、ボスは銃のメンテナンス、サーシャはレジスタンスとゼン帝国についての情報を集めつつ、必要な物があればハッキングを繰り返していた。

さて、サーシャがボスに見せた物はレジスタンスについての物なのだが、経歴を調べる限り、何やらおかしな点が見受けられる。
今回陽動を起こしたと考えられるのは鬼人正邪と少名針妙丸の2人。
共に弱者と呼んでも違和感はないような人物でここ数年の経歴を洗ってみる限りだとロシアのアルダブルクの、それもスラム街と呼べるような場所で生活していた様だ。
少なくとも仮に裏社会に足を踏み込んでいたとしてチンピラ上がり程度の技術しかないはず。ともなれば何故このような人間がひとつの大組織の転覆に成功したのか。

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Ty「こんな奴らがホワイトロックファミリーを乗っ取った? 信じられないな」
Sa「ええ、私もそう思って調べてみたんですが、どうやら背後に何かしら大きな組織が居るのは確実なようです」
Ty「その組織がどこかわかるか?」
Sa「それが一切尻尾がつかめなくて困っているんですよ。用意周到というか、まるで後ろに居るはずなのに居ないような……」

現段階で推測できるのはこの2人の後ろに大きなバックアップがあり、それによってこの乗っ取りが成功したということ。
とは言っても何も尻尾がつかめそうではなく、どこの組織によるものなのかまでは断定できていない。

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Ty「このことは2人には伏せておいてくれ。まぁどうせスカーレットグループかアルター辺りが既に尻尾を掴んでいるような気がしないでもないけどな」
Sa「ええ、わかりました」

今はレティとヴィタリーに伝えるべきことではないだろうとボスは判断する。
と言ってもいずれ話すことにはなると思うので、まずは彼らの後ろに居るであろう組織を見つけるのが先だ。



サンフィエロ パラディソ ラボ
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四季「どうしたんですか、ミス・ケンジントン。急に呼び出して……」
Kinzie(Ki)「大雨の中わざわざ寄って貰って感謝してるけど今はこれを見てもらいたかったからなの」

大雨の中、わざわざパラディソにある自分のラボに四季を呼び出すキンジー。
四季はキンジーの急な呼び出し、と言うこともあって八方塞がりの現状から脱却するためにキンジーのラボへと駆けつけた。
現状、四季が唯一持っているゼン帝国に対する手段といえば、キンジーの存在だけ。元々ゼン帝国に関係のあった四季だが、今は関係を経っている以上、その情報を得ることは不可能に限りなく近いだろう。

さて、キンジーが四季に見せたもの、それはゼン帝国に関連するものだった。どこかの監視カメラの映像のようだが……。
解像度が荒く、細かい所まではわからないのだが、ある程度の形はクッキリしているので全くわからないというわけではない。
しかしノイズも時折入っているので完全にわかりきることは出来なさそうだ。

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四季「これは……ゼン帝国の”シップ”のようですが」
Ki「一度削除されていた映像を復元してみたの。ただノイズが酷いし、解像度も荒いわ。でもこれでも十分証拠になると思わない?」

確かにいくらノイズと解像度が悪いとはいえ、ハッキリとゼン帝国の”シップ”だと断言できるくらいには特定できる映像だ。
ただこれだけがあってもゼン帝国を訴え、法の元に裁くには証拠が不十分すぎるだろう。それにこの嵐では今からこの映像が取られたであろう場所に向かっても全て証拠は水に洗い流されてしまっていることだ。

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四季「これだけでは証拠不十分ですが、もう少し調べてみればなにかわかりそうですね」
Ki「復元をもう少しかけて見るけど、もう1つ気になることを見つけたわ。これを見て」

次にキンジーが指差したものに映し出されているのは飛行記録。おそらくはゼン帝国のものなのだろう、エイリアンのトレードマークが記されている。
この記録によればサンアンドレアスからロシアのモスクワ郊外に向けて一機の航空機が飛んでいったことになっている。日付は10月23日。同日付でまたサンアンドレアスに戻っているようだが。

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四季「ロシアに行っていたようですね」
Ki「でも首都のあるモスクワにも大都市のウラジオストクにも着陸していないみたいなの。フライトレコーダーを見る限り着陸したのは多分アルダブルクかそこらだと思うんだけど」
四季「……アルダブルクですか。ロシアンマフィアのホワイトロックファミリーの本拠地が置かれている場所です。まさかとは思いますが……」

四季の頭の中で点と点がゆっくりと結びついていく。調査の前提として点を集めて、その点を結び付けていくのだが、まさしくそれだ。

何故ゼン帝国はロシアを訪れたのか、その理由は? 監視カメラに映し出されていた”シップ”はいったい? 多数の行方不明者はどこに?
おそらくこれらはすべて1つの線のうちの1つ1つだ。詳しく調べてみればつい最近、嵐が来る数日ほど前だ。
アルダブルクからサンアンドレアス・ラスベンチュラスに大勢の人間がやってきている。しかも専用ジェット機でだ。

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四季「引き続き調査を続行してください。一度署に戻って私の方でも調査してみます」

とりあえず現段階で数多くの情報をキンジーから得ることが出来た。一度署に戻って小町と共に次の対策を練ることにしよう。少なくとも猶予はこの嵐の間だ。



Act.3/Act.5