cut3
ロスサントス マーケット バーガーショット
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Claude(Cl)「2人で遊びに行くのも久々だな」
Jason(Ja)「何年ぶりだろうな」

ロスサントスのダウンタウン、バーガーチェーン店にて一息つくかつての親友同士だった2人。
どうしてこのような事態になったのか、落ち着いた環境で一度じっくりと話を聞いて見たいというクロードの意向で実現したものだ。
幸いにもクロードや小町と言ったシミュレーション内で任務遂行するメンバーがすることは今はそこまで多くなく、余暇があると言えば余暇がある状態だ。

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Cl「お前がブルワースをやめて、陸軍に行ったと聞いた時は驚いた」
Ja「話せば長くなるんだ」

2人が知り合ったのはブルワースアカデミー。クロードのような人物が何故そこに言ったかと問えば運命の巡りあわせというところだろうか。
特に意図したわけではなく、単純にその時偶々クロードがブルワースアカデミーに編入することになっただけのこと。

逆にジェイソンはその運動神経を買われてブルワースに推薦入学していた。

ブルワースアカデミーという環境は少々特殊ではあるが面白い学校であることに間違いはない。

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Ja「推薦入学と言っても半ば俺の育ての親が無理やりあそこに入れただけだ。家族とは上手くいってなかったし、母親は病気で、父親は行方不明だ」
Cl「……それで?」
Ja「学校に馴染めなかったわけじゃない。ただあの町というか、育ての親と距離を置きたかったんだ」

ジェイソンはクロードとは対極、とは言わないがクロードが無口で言葉数が少なかった方に対してジェイソンは良く話をする方で学校内でもそこそこ名前も知られて居た。
それにフットボールチームに所属していたのもあってそれなりに女性からもモテた方だっただろうし、現に記憶が合っていれば彼女も居たような気がする。
何故彼とクロードが親友、という間柄になったのか。思い返してみれば自分たちにもわからない。友人と言うのはそのような物だろう。気付けば友人になっているのだ。

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Cl「上手くいってなかったのか?」
Ja「ああ、全く。俺を邪魔者扱いしていた。ブルワース入学以降は連絡なんて寄越しても来なかった」

ジェイソンは自分が持っている境遇、そして米軍へと加わった理由を説明した。
彼の心理をクロードが読み取る事は出来ないが、クロードの考えとしてはジェイソンは「軍」という場所に自分の存在意義を求めたのだろう。
……無論、ブルワースに居た彼は十二分に存在価値を見いだせていたように思えるが、本人はおそらくそれでは納得できなかったのだろう。

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2人は会話を進める一方でバーガーショットを後にする。

Cl「反対はなかったのか?」
Ja「俺がブルワースをやめて米軍に入る時には”好きにしろ”としか言われなかったな。むしろ彼らにとっては俺が軍人になって死んでくれた方が良かったんだろう」

車に乗り込む2人。話の続きを再開し、クロードは核心を突いた質問をする。軍人になるということはそれだけのリスクがあるということなのだが……。

ジェイソンと彼の育ての親……家族とは上手くいっていなかったようだ。
幼いころに母親を亡くし、それ以前に父親は行方不明。母親の兄に引き取られたという話だが、その結果がこれとは。

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Cl「そんなに酷い奴だったのか?」
Ja「ああ、俺が生きようが死のうが関係のないことだったんだろう」

いくら血が繋がっていないとはいえ、家族に対してそのような態度を取るのもどうなのだろうか。
もちろん世の中にはそんな奴はたくさんいる。だが、血がつながっていないことを理由にそれを正当化できるはずはないのだが……。

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Cl「ジニャックにはどうして捕まっていた?」
Ja「上からの命令でエリア69に向かうように言われてな。そこからの記憶がないから多分その前後で”実験台”として捕まえられたんだろう」
Cl「……軍は把握しているのか?」
Ja「昨日、当時の宿舎に戻ってみたが門前払いだった。おそらく軍が仕組んだことだったんだろう」

つまりは軍の上層部があえてジニャックに”実験台”を差し出したということだろう。
もしこれが明るみに出れば大きなスキャンダルとなる。ましてやこれが”あえて”行われたことなのかは今となっては定かではない。
証拠がない以上、軍、いや政府にはどんな言い逃れだって可能なのだ。つまりジェイソンに勝ち目はない。クソみたいな話だがこれが現実だ。

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Cl「なぁ、待て。今は何処に泊まってる?」
Ja「アルター社の風見幽香って言ったか? その人がホテルの部屋を新たに取ったから使ってくれて構わないと」
Cl「宿には困ってないならよかった」

今の時点では宿や食事に困ってはいない。クロードや幽香と言った周りの人間のサポートでしっかり生活を送ることが出来ているからだ。
とは言え、今の案件が終わってしまえば今後生活ができるかは怪しいものがある。下手をすれば”ジェイソン・ロード”という人間は”死んだこと”にされてしまっている可能性も0ではないのだから。
アルター社のサポートもいつまで受けられるか、と言う具合だ。

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2人乗る車はサンタマリアビーチを目指して行く。
時刻は既に午後の4時を過ぎたところで陽が徐々に沈み、ゆっくりと確実に夕暮れが近づいている時間だ。どうしてここを訪れたかと言えば、特に理由はなくなんとなくということだ。

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Cl「久々にロスサントスを回った気がする」
Ja「俺はロスは初めてなんだが、お前は良く来てたのか?」
Cl「仕事でロスサントスを一度全部回った」

クロードは”ランナバウト”の仕事で一度ロスサントスを回ったことがある。あの時はどんな仕事内容だったかはほとんどと言っていいほど覚えていないが……。
逆にジェイソンはと言えば、生まれ故郷のスティールウォーターと思春期を送ったブルワース地方、そしてサンアンドレアスのラスベンチュラスの軍の燃料基地等に在籍していた程度であまり多くの場所を訪れたことはない。

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Ja「にしても俺は2年もの時間を無駄にしたわけか……体はなまっているし、唯一救いなのが体やら筋肉がほとんど衰えてないことぐらいだ」
Cl「失われた時間は今から取り戻せばいい」

2年もの間、ジェイソンはジニャックに捕えられて実験台として自らの意思に反するままにシミュレーションでの生活を余儀なくされていた。
その無駄にしてしまった時間が帰ってくるわけでは決してないが、ジニャックにこの「借り」は返す必要がある。
クロードは決して口には出さないが、かつての親友の為に必ずジニャックを仕留める気でいる。

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Ja「ああ、そうだな……にしてもお前は随分変わったよ」
Cl「どういう意味だ?」

ジェイソンはかつてのクロードと今のクロードでは面影が違う、ということを面白おかしそうな顔を浮かべて本人に伝える。
確かに、傍から見ていても最初の”彼”を知っている人が今の”彼”を見たら受け取る印象は違うかもしれない。

それを考えれば昔のクロードを知り、そして2年以上のブランクを開けてのクロードを知ったジェイソンがクロードの性格が変わったと受け取るのもごく自然の流れと言える。

クロードと言う人間を変えたのは周りの人間があったからこそだろう。人と言うのはやはり変わっていくものなのだ。


Act.29/Act.31