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サンフィエロ ウィンディウィンディズストリート 隠れ家
gta_sa 2015-12-20 00-22-33-741
Jason(Ja)「本当にスティールポートに行くのか?」
Claude(Cl)「ああ、少しばかり平穏な暮らしをしたいもんでな。キンジーに誘われたんだ」

あのエリア69で起こった一夜の襲撃はこちらの犠牲を出すことなくそのすべてを終えて、アメリカ、ひいてはこの地球から「ゼン帝国」という脅威を取り除くことに成功した。。
もちろんこれはシンジケートという1つの組織とその組織に加担する多数の組織や人物が起こしたことだが、これによってアメリカという国は少しばかり形を変えることになった、と言っても過言ではないだろう。

いや、形を変えたというよりも本来の「あるべき姿」に戻っただけなのかもしれない。どちらにしてもアメリカの歴史に新たな1ページが加わることは間違いないだろう。

gta_sa 2015-12-20 00-22-49-487
Ja「お前が決める事には口出ししないがせっかく再会できたっていうのにな……」
Cl「偶には連絡する」

クロードはキンジーにスティールポートに一緒に移住しないか、と誘われて二つ返事でそれを了承したようだ。
クロード自身、いや若いころから中々にハードな事をしてきたという点ではジェイソンも同じことなのだが、
流石にこれ以上危ないことを続けるよりかは彼の中で平穏な暮らし、というものをしてみたいある種の好奇心の様なものもあったのだろう。

gta_sa 2015-12-20 00-22-56-884
Kinzie(Ki)「クロード、そろそろ出ないと飛行機に遅れるわ」
Cl「そうか。ジェイソン、……またな」
Ja「ああ、またな」

キンジーは荷物の準備を終えると時刻を確認し、まもなくこの家を引き払い、空港に向かわないと飛行機に間に合わなくなるということを告げる。
サンアンドレアスに2人が居る時間ももうそこまで長くはない。
もちろんアメリカ国内には居るので決して長い別れ、となるわけでもなければSNSや通信機器の大幅な発達もあり、いつでもどこでも話すこと自体は可能だ。
クロードはジェイソンに別れを告げるとSAPDが支給したこの隠れ家を立ち去る。隠れ家自体はSAPD保有のままだが、クロード、そしてキンジーが気を利かせたおかげで隠れ家は今後ジェイソンが使うことになる。

gta_sa 2015-12-20 00-25-32-234
Ki「本当によかったの?」
Cl「……ああ。一度決めたことだ。ここまで来たら後戻りできない」
Ki「……それもそうね」

クロードの愛車であるバイソンに荷物を積み込み、キンジーとクロードはサンフィエロ国際空港へと向けて車を走らせる。
後悔が無かった、と言えば嘘になる。だが一度決めた事、そしてもうここまで来たのだから今更後戻りはできない。
親友のジェイソンの事は気がかりではあるが彼ならきっと上手くやれることだろうと自分に言い聞かせてクロードはハンドルを強く握る。
親友との別れを味わっているクロードをキンジーは気の毒に思いながらそんな彼に姿を見やり、どうか後悔だけはしてほしくないと切に思うのだった。



サンフィエロ ダウンタウン サンフィエロ警察署(SAPD本部)
gta_sa 2015-12-20 00-30-05-684
四季「残るは鬼人正邪、彼女の件です。FIBの事やIAA、ゼン帝国の後始末もありますが年内に鬼人正邪の案件だけでも終わらせておきたいところです」
小町「鬼人正邪……先月のスカーレットグループ・アメリカ本社襲撃事件の被疑者ですね……」

ゼン帝国がアメリカ、そして地球から立ち去ったという一報を受けた四季は彼女にある意味蓋をして邪魔をしていた「ゼン帝国」という大きな障害がなくなったことで今までよりも、踏み込んだ捜査が出来るようになった。
アメリカと言う国はある意味では「ゼン帝国」に監視されていた、と言っても過言ではないからである。

さて、今SAPDの彼女たちがぶつかっている問題。それは先月末に発生し、今でも捜査が続けられているスカーレットグループ・アメリカ本社襲撃事件。
無差別に本社ビルに勤務する従業員や警備員が殺害され、現場は惨い状況だった。遺族もこれでは納得できないと悲しみの声が寄せられていた。

世間を揺るがせるほどの事実もやはりひと月も経てば風化しつつある。
本日付で被疑者確保に動き始めたSAPD。少々あわただしい雰囲気が所内には漂っている。これ以上はもう待つ必要もない。そして物的証拠も数多く揃えてある。

gta_sa 2015-12-20 00-30-58-434
四季「彼女もまた、”ザ・リベレ―ション・オブ・アース”の参加者だったんですよね」
小町「はい、彼女は突入部隊の方に」
四季「彼女がゼン帝国を追い出す作戦に協力した、それは評価に値するかもしれませんが、例の一件とこの活動は別。罪は罪、しっかりと償ってもらう必要はありますね」

鬼人正邪、彼女は小町とは別のチームだったが、ゼン帝国を追い出す上で協力したのは事実。それを証言できる人間は小町以外にも多くの人が居る。
だが、その反面やはり罪のない市民を自分の目的の為に殺戮した、というのは決して許されることではなく四季の考え、そして世間一般の目としてはやはり多少でも罪の償いをするべきだと考えている。
というよりもしてしまった事実は覆しようのないものであり、これは償うほかに手段はない。どれだけ刑務所に居ても決して許されることはないのだ。

小町「そういえば刑期はどれくらいになるんですか?」
四季「現段階で正確なことは決まっていませんが、短く見積もって20年ほど、でしょうか」

まだ彼女を拘束する前ということで判決ももちろん下されていないが、どれだけ短く見ても10年単位の刑が彼女に課せられるのは絶対と言っても過言ではない。
いくら彼女の活動が評価されるようなものであったとしてもやはり遺族や今後の裁判での裁判員が納得できる形でないといけないということだろう。

gta_sa 2015-12-20 00-31-14-222
小町「シンジケートに加入したことを考えればIAAの射命丸辺りが動くと思ってたんですがね」
四季「彼女の意思としてはこちらに口出ししたかったとは思いますが、”IAA長官”としてのするべきことを優先したんだと思います」

彼女の立場を使えばおそらく鬼人正邪の罪を軽くしようと思えば可能なはず。だが、それをするということは前長官レイラ・モートンと同じこと。
射命丸の性格を考えれば公私を混合し、職権を乱用するような真似は何としてもしたくないはず。それに彼女はシンジケートのまとめ役を買って出ている。
まとめ役としての職務も真っ当した、と考えることもできるだろう。



サンフィエロ ドハティ ガレージ
gta_sa 2015-12-20 00-43-33-558
Shaundi(Sh)「クリスマスにパーティーを開こうと思ってるんだけど」
Mac(Ma)「パーティーか、いいんじゃないか?」

いつもの平穏な日常を迎えたインスティンクトたち。強盗でありったけの富を得た彼ら。
現在は仕事の依頼も特にはなく、特別することもない彼らは日課のように時間さえあればこのドハティのいつものガレージへ訪れている。

そんな中でショーンディはそろそろ近づくクリスマスに対し、クリスマスパーティーを開くのはどうかと提案する。
別に彼らの中にクリスチャンが居るわけでもない。だが、みんなそれぞれ”家族”と過ごすのかと聞かれれば答えはノーに近い。
家族と死別していたり、遠くに住んで居たりと理由は様々だがそれは個人によって事情が異なる。

gta_sa 2015-12-20 00-43-49-368
Franklin(Fr)「ルチャドールズでも呼んでみたらどうだ?」
Sh「ルチャドールズの保有してるクラブで開くのも良さそうね」
Ma「シンジケートの面々は呼ばないのか?」

クリスマスパーティーに対しては特に誰も反論はない。むしろパーティーやお祭りごとと言ったことは大好きな方なので開くとなれば大歓迎だ。
普通なら家族と過ごすことが多いクリスマスだが、生憎なのだ、それなら1人でさびしくと言うよりも仲間たちと過ごす方がずっと良い。

gta_sa 2015-12-20 00-44-26-436
Sh「シンジケートはレジスタンスの鬼人正邪のことで忙しいんじゃないかしら?」
Ma「魔理沙とアリスは旅行に行っちまっていつ帰ってくるかもわからないし、後は誰が呼べたか……」

シンジケートを呼ぼうという提案に対してだが、シンジケートは現在、鬼人正邪関連で忙しいと思われるので除外。
それを言えばルチャドールズもシンジケートだが、彼らとは友好的な関係を築いているのもありボスやダリルが参加こそ出来なかったとしても場所くらいは貸してもらえるはずだ。
また魔理沙とアリスに関してだが2人は今、ラスベンチュラスに旅行に行っているのでこれまた除外。いつ帰ってくるとは聞いていないのでおそらく年内はそちらで過ごすのだろう。

gta_sa 2015-12-20 00-44-38-866
Fr「キンジーはどうだ?」
Sh「電話してみる価値はあるわね」

とりあえずシンジケートの面々には一応声を掛けておくとして、他に確実に呼べそうな人は、となった時に真っ先に名前が挙がったのはキンジー。
かつてはキンジーも協力関係にあったが、彼女の方の都合で協力できなくなってしまったが、今でも交流がないわけではない。

ショーンディはとりあえず、とキンジーに電話を掛けて見る。数コールの後、電話口に出たのは他でもないキンジー。いつものトーンで返されてショーンディは慣れたように同じようにいつものトーンで返す。

gta_sa 2015-12-20 00-45-15-053
Ki「あら、ショーンディ。どうかしたのかしら?」
Sh「クリスマスパーティーをやるんだけどあんたもどうかと思って電話したのよ」
Ki「誘いは嬉しいんだけどクロードと一緒にスティールポートに引っ越すことに決めてね、今移動の飛行機の中なのよ」
Sh「引っ越しなんて聞いてなかったわ。どうして言ってくれなかったのよ」
Ki「忙しくて貴方たちには連絡できなかったのよ。まあいいわ、クリスマスパーティーに人員が欲しいなら暇そうな人を1人知っているから連絡先を送っておくわ」

キンジーは丁度スティールポートに向かう飛行機の中であり、既にサンアンドレアスを離れている。
それに引っ越しともなれば落ち着くのにも時間がかかる。多少の猶予があるとはいえ、クリスマスパーティーにキンジー、そしてクロードが来るのは難しい。

だが、そこはやはり用意周到というか常に準備しているというか。キンジーには1人宛てがあるようでその”宛て”の連絡先を寄越してくるとのこと。
キンジーが参加できないのは少々名残惜しいが、個人の事情というのがあるのは仕方のないことだ。

gta_sa 2015-12-20 00-45-26-312
Sh「あんたが参加できないのは残念だけど、あんたの”宛て”とやらに連絡してみるわ。体壊さないようにね」

ショーンディはそれだけを告げるとキンジーとの電話を切り上げる。面と向かってお別れの言葉を述べることが出来なかったのは名残惜しい気分ではある。
次にショーンディはその”宛て”とやらに連絡を入れて見る。その”宛て”が誰なのか見当もつかないが、おそらく顔見知り、或いは「ザ・リベレ―ション・オブ・アース」の参加者なのだろう。

gta_sa 2015-12-20 00-47-12-807
Ja「誰だ?」
Sh「その声は……ジェイソンね。キンジーから連絡先を教えてもらったの。あんたなら暇そうだから、ってね」
Ja「……キンジーの奴」

電話口の相手はジェイソン。確かにキンジーの言う通り、暇を持て余してるといえば持て余している人物と言って過言ではないだろう。
あまりあからさまに言うと相手を怒らせかねないのでショーンディは手短にジェイソンにクリスマスパーティーに来てもらえないか、ということそして日時や場所を告げる。
ジェイソンはそれをあっさり承諾すると一言「じゃあな」とだけ告げてさっさと電話を切ってしまう。少々ぶっきらぼうというか。

gta_sa 2015-12-20 00-45-40-355
Fr「とりあえずルチャドールズを数に含めて、それなりの数も集まったわけだな」
Sh「後はシンジケートたちの返答次第ね」

何はともあれクリスマスパーティーの計画は順調に進んでいるわけだ。
どれだけの人数を集められるかはわからないが出来る事なら集められるだけ集めて大きなパーティーにしたいところ。

”聖夜”を”性夜”にされても困るが。



Act.2