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ロスサントス ダウンタウン FIBビル
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Dave(Dv)「だから俺は言ったんだ、オリバー」
Oliver(Ol)「お前に指図される覚えはない」

ロスサントス・ダウンタウンFIBビルの喫煙室。
喫煙者は2020年代のアメリカにおいても肩身の狭い思いをしている故にこのような喫煙ルームに追いやられているわけだが、それが故に喫煙者だけのコミュニティや”裏の話”をする場所として使われることも少なくないわけではない。
このオリバーとデイブの2人も喫煙室を利用して”例の違法な司法取引”の結果報告を話していたところだ。

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Dv「いいか、アイツは仮にも天邪鬼だ。こっちが利用しようとした所で逆に利用されるのがオチってのはわかりきっていたことだ」
Ol「俺に向かってどの口を聞いてるんだ、デイブ。まあいい。この後どうするかはもう考えてある」

FIB、それも汚職捜査官側の人間からすると存在があまり望ましくないのが今西海岸で猛威を振るっている組織、シンジケート。
ギャング、2つの世界的大企業のCEO、そしてアメリカ政府直属組織の1つ、FIBのライバルとなっているIAAで構成されているわけだが、
2年前の事件でムショに放り込まれたシンジケート組織の1つのギャング、レジスタンス。そこの実質トップとなっている鬼人正邪がムショに放り込まれていた。

これは良い、とオリバーは彼女に目をつけ、デイブを使って刑務所から出す代わりにシンジケートの情報を鬼人正邪に横流しするように取引を持ちかけた。
しかしそれが今回、裏目と出てしまったのはオリバーの計算ミスだろう。彼は確かに賢い人間だが「相手」を理解する能力に関しては著しく低い。彼は鬼人正邪という1人の人間の本質や性格を見抜けたなったのだ。
鬼人正邪はオリバー、いやFIBを裏切りこちらを利用した後はこちらの持ちかけた条件をすべて”なかったこと”にしたのだ。
裏切られることなど数多くあったが、これではわざわざ彼女を出した意味がない。

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Dv「どうせまたロクなことじゃないんだろうな」
Ol「ああ、いつもの通りさ」

そこでオリバーが思いついたのは1つのプラン。もちろんまだ誰にも話していないし、まだ構成段階なので準備もしてない。
もちろんデイブにもだ。だが、このプランを練り終えた暁にはデイブにこのプランを遂行させる。



ロスサントス ダウンタウン
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同時刻のFIBビルの外、ダウンタウンの市街地。1台のリムジンがオフィス街を駆け抜ける。べネファクターの光り輝くエンブレム。ドイツ製の高級車をベースにしたリムジンだ。
その後部座席に乗り込み、通信端末やラップトップを使いこなし、様々な業務をこなす1人の女性。アルターCEOの風見幽香だ。

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幽香「IP偽装にいろんなサーバー経由で掴むのに時間がかかったけどSGAに不正アクセスを試みたのはリバティーシティからみたい。ショアサイドベイルの発信局ね」
パチュリー「ショアサイドベイルというと……リバティシティの郊外ね」

通信端末で車内で先日アルターを訪れたパチュリーと連絡を取りつつ、仕事と並行してスカーレット・グループ・アメリカのサーバーに不正アクセスを試みた者の所在を調べている幽香。
アルター社、そしてスカーレットグループも共に世界的な大企業とだけあり、サーバーも協力でセキュリティも頑丈。ファイアーウォールで守られているが、それを破ろうと試みる不届き者が確認できている事実。
先日のIAAの文から聞かされた”カルテル”とも併せて考えれば何かしら関係がないとは言いきれないだろう。

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幽香「文の言うカルテルの存在と併せて考えるなら、リバティーシティ郊外に誰かを向かわせたいところね」

不正アクセスはリバティーシティ郊外、ショアサイドベイルから行われているのは基地局が示す通り。
しかしながらシンジケートが主に活動しているのは西海岸ということもあり、東海岸のリバティーシティにはほとんどと言っていいほど地盤がない。

もちろん、世界的企業ということもあり郊外のストートンアイランドにはアルター社の支社が、中心地のアルゴンキンにはスカーレットグループの支社がそれぞれ存在するのだが、それでもやはり足場が固まっているかと言えば微妙なところ。
アルター社に関して触れておくとすれば、リバティーシティ支社には幽香の右腕でもある、エリーが支社長として座している。
だが、彼女1人だけではあまりにも役不足で頼りがいがあるかと言えば答えはノー。せめてあと1人か2人、シンジケートの面々で力のある者かシンジケートに友好的な人間を送りたいところだが……。

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幽香「パチュリー、リバティーの件は私たちに任せてもらえる?」
パチュリー「ええ、分かったわ。でも、助けが必要になったらいつでも言ってちょうだい」

幽香には1つ、考えていることがあるようだ。
とはいってもそれをまだ口に出す時ではないと思っているのだろうか、幽香はパチュリーにはこの一件を任せてもらえないかと尋ねるだけに留めた。
幽香はおそらく、スカーレットの面々にはバイスシティの一件の方に当たってほしいのだろう。理由はともあれパチュリーもリバティーの方に関しては幽香に一任する形を取る。

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幽香「さてと……リバティーの件は置いておくとして、今は盗まれた新開発の製品データのUSBをどうするか考えないといけないわね」

パチュリーとの通話を終えた幽香。しかしながらこのリバティーシティからの不正アクセスの件とは別にアルターは1つ問題を”現在進行形”で抱えている。
なんでも、アルター社の新製品のデータ、と言っても没案になる予定だったものだが、そのUSBメモリーが何者かによって盗まれ、ロスサントスのどこかにあるというのだ。

もちろん外部に持ち出された際にこうなった場合を考慮し、アルター社が使用するUSBメモリーにはGPSを仕掛けてあるので位置はある程度絞り込める。
だが、回収するにしても企業のトップが直々に回収するというのもリスクが伴うし、なにもわざわざ廃案となった新製品のデータを回収するのも気が引ける。
とは言ってもこの情報が社外に漏れることもあまり好ましくない……とここでふと思い立ったのはUSBメモリーの”破壊”。
この仕事の為に外部に詳しいことは知らせずに委託すれば手っ取り早いのでは、と考えたのだ。
そこで白羽の矢が立ったのが2年前の一件で一度顔を合わせ、以後も何度かやりとりをしている慧音。
FIBエージェントの彼女なら上手い具合にこの一件が表沙汰になる前に手を打てるかもしれない。

そうと決まれば後は早い。幽香は慧音に連絡を入れるのだった。


Act.4/Act.6