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サンフィエロ ドハティ ガレージ
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Franklin(Fr)「レスター、こっちに来るのはもう1年半ぶりになるか?」
Lester(Le)「ああ、もうそんなになるか……お前らはもう強盗をする必要がなくなったものとばかり思ってたが」
Fr「事情が変わったんだ」

ドハティのガレージ。2年程前、ここはインスティンクトの拠点として使われていた場所だ。
と言っても2年前の強盗を境に、メンバーは巨額の富を得たのでわざわざ強盗をする必要はないと、強盗からは足を洗った。
だが、ここに来て事情は変わった。インスティンクトと協力関係を結んでいるシンジケートが今、揺るがされようとしている。
それをやすやすと見逃すわけにはいかないのだ。そこで必要となってくるのが資金。武器等を調達するにはやはり資金は欠かせない。

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Le「そうか……だが、お前たちが襲おうとしているあのプアホワイト達。アイツ等は”シンジケートの敵”と繋がってる」
Fr「ならますます都合がいいな」
Le「そうは言うが奴らは全面的にカルテルのバックアップを受けてる。カルテルも敵に回すことになるぞ」

レスターはどこでフランクリンたちインスティンクトが砂漠のプアホワイト達を襲おうとしている情報を掴んだのかはわからない。
盗聴か、あるいはメンバーの誰かが教えたのか。ただそれらを抜きにして1つ言えることはやはり彼の情報収集能力は実に高いというところだ。
既に砂漠に居る例のプアホワイト達がカルテルのバックアップを受けており、戦闘力含め、組織力も高くなっているという情報を掴んでいる。

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Fr「だからこそ都合がいいのさ。俺らはプアホワイトの資金源を奪って、資金を得た後にカルテルたちにケンカ売るんだしな」
Le「まったく、あの時からまったく変わってないんだな。まあいい。お前らがやるっていうんなら俺はまた協力しよう」
Fr「助かるぜ、レスター」

レスターはフランクリンの性格を理解している。それだけにわざわざこうしておすすめしない、と言う事を言ったところでやめないのは百も承知。
というよりも、レスターはある意味この強盗に関して扇動する目的で来た、と言えるかもしれない。
フランクリンたちが強盗をすることでレスターにとっても利益とメリットが生じる。レスターにしてみれば”強盗”というのは大きなビジネスの1つなのだ。
兎にも角にも、フランクリンとレスターは再び1年前の時と同様に強盗と言う形で手を結ぶ。早速この”ドラッグ強奪作戦”の準備と作戦を練ろうではないか。



ロスサントス テンプル バーガーショット
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ロスサントス北部、テンプルにあるバーガーショット。ごく一般的なスタイルの店舗。オーソドックスな店舗でアメリカでは何ら不思議もない形だ。
ドライブスルーも他の店舗と同じように置かれている。昼時から少し外れた時間の為か利用している客は見られない。

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Ana(An)「通り連れてきたわよ」
慧音「……時間ピッタリだな」

リックを連れてアナはここ、テンプルのバーガーショットに訪れた。
一見すればリックとただのデートをするために訪れたかのように思えるが2人が既に破局している。
では何故ここに訪れたのか。それは実に単純な理由で、リックを連れてくるように指示した人物……つまり、慧音にリックを会わせる為だ。

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慧音「いきなり呼び出したりしてすまない。君と一度顔を合わせておきたくてな。私は上白沢慧音。君やそこの彼女と同じFIBの人間だ」
Ri「紹介どうも。俺はリック・クワイン……ってあんたが呼び出したことを考えたら俺のことを知ってるんだろう?」
慧音「もちろん」

慧音は簡潔に自分の素性と名前をリックに伝える。素性、と言っても慧音はリック、そしてアナと同じFIBの人間であるのでそれ以上名乗るものはないのだが。
とは言え、立場や部署も違うのでこうして顔を合わせるのは初めてとなる。特殊部隊とエージェント、つまり捜査員となれば顔を合わせる機会が皆無になるのも当たり前だが。

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An「私、ランチがまだなんだけどランチを取ってもいいかしら?」
慧音「ん? ああ、構わないよ」

アナはリックと同じテーブルに着くのを避けたいのか、それとも単に自分がお腹がすいたからなのか、あるいは両方の理由からなのか席を外し、1人カウンターへ昼食を頼みに行く。
既に店内はがら空き、とはいかないが空いておりある程度好きな席に座ることが出来る。ハンバーガーのセットを頼んだらしいアナはリックと慧音、そして妹紅が居る席から少し離れた場所に座り、やや遅めの昼食を取る。

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慧音「さて、本題に入ろう。私が君をここに呼び出したのは君がオリバーの尻拭いをさせられていると聞いたからだ。そうなった原因を間接的に作ってしまったのは私だが……」
Ri「ちょっと待ってくれ、あんたが作ったって……?」
慧音「その説明もするが、先に頼みごとを聞いてほしい。簡単に言えばオリバーのスパイをやってほしい。前に頼んだ奴が居たんだが、そいつは別の任務に当たって貰う事になってな」

慧音はまずは大まかに話の核心を説明する。ここに呼び出した理由と、そして現在リックがオリバーの尻拭いをさせられるハメになっている原因の2つ。
もちろん、リックはそんなことを知る由はなかったので驚きを隠せないわけだが、まずは慧音が追って説明していく。





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Ri「……なるほどな」

要約すればオリバーの尻拭いをしていた人物、つまりジェイソンなのだが、彼が別件でリバティーシティに調査に行くことになったため、オリバーの尻拭いをする人物が居なくなったこと。
そうするために慧音が自らの権限を行使し、結果としてその役目がリックに回ってきたということ。
そして慧音がオリバーを確実にFIBから追い出すための証拠を見つけたいがためにリックに情報を流してほしいという旨を聞かされる。

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慧音「もちろん、ただでやってほしいとは言わない。これが終わったら君が望む部署に移動できるよう手配する」
Ri「NOOSE。特殊部隊に入れるならNOOSEじゃなくてもいい」

危険な任務になることは間違いない。だからこそ慧音は相応の報酬を用意してある。彼女の権限をもってすればおそらく人事の異動などたやすい事。
そしてリックの個人的な希望としては特殊部隊に所属して居たい願望がある。これは彼が昔から決めていたことだ。
そしてNOOSEならば慧音の権限の届く範囲の組織である。そうなればこの取引は交渉成立、というわけだ。

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慧音「NOOSEなら問題はない。交渉成立、と見て大丈夫だな?」
Ri「ああ、問題ない。交渉成立だ」
慧音「ありがとう、いずれ連絡する」

こうして2人の取引は成立。お互いでメリットデメリットは存在するわけだが、その差は微々たるもの。
少なくとも今日のところはこれで用は済んだ。次に用があるのはオリバーが動いた時。それまでは待機だ。



リバティーシティ 詳細不明
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?「奴らに感づかれた?」
メンバー「既に何人かこっちにやってきてるのを確認しました」
?「やはり”彼”の言う通り一筋縄ではいかない連中のようだ」

リバティーシティのとある場所。水色を基調とした服装を身にまとったこの集団。手にはスマートフォンが握られている。
一見すればただのスマホ依存症の若者の集まりに見えるかもしれないが、彼らは全米でも、いや世界的に見てもかなりレベルの高いハッカー集団だ。

――DECKERS(デッカーズ)

メンバーの多くは10代~20代で構成されており、そのハッキング技術をもってして多額のお金を稼ぎ、組織をドンドン膨らませて行った。
そしてデッカーズに目を付けた組織が居る。それこそがカルテルの元締めである組織……。つまり、デッカーズはカルテルに含まれる組織の1つ、ということだ。

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?「そろそろこちらからアクションを起こす必要がある。サーバーハッキングのような簡単なものじゃないアクションだ」

他のカルテルと同じく、デッカーズもまたシンジケートを突け狙う組織の1つ。
彼らは間違っても表舞台にあまり出てくるような連中ではないが、そのハッキングスキルで言えばおそらくシンジケートの頭脳達をもってしても凌ぐレベルだ。
そしてデッカーズの存在こそが、カルテルの元締めである組織、”モーニングスター”をここ、アメリカに呼んだと言っても間違いはない。

はたして彼らはいったい何の目的をもってして行動を起こし、カルテルの組織に協力をしているのか。そのすべては全くもって闇に包まれいてる。
無理もない、表舞台に出る機会は限りなく少なく、現実世界で人とある時間よりも最深部で画面と向き合っている時間の方が長いと言っても過言ではないのだから。



Act.11/Act.13