ロスサントス ダウンタウン FIBビル
慧音「そんなことがあったとは……急にすまなかったな」
Rick(Ri)「いや、大丈夫だ。それに個人的に気になる案件だったしな」
ロスサントス、ダウンタウン。FIBビルの下でバイクにまたがりビルを見上げつつ、インカムで慧音と話すリック。
何故中に入らずにここに居るのかと言えば、実に単純な理由からで、慧音からの依頼でとある人物をマークすることになったからだ。
おそらくは元々もう1人の方がやるべき仕事だったのだろうが、前にも聞いた通り、そいつは別の案件でリバティーに飛んでいるからこちらに回ってきたと考えるのが自然だ。
Ri「ターゲットが出てきた。タクシーを使うみたいだな……追跡する」
慧音「よろしく頼む。……ああ、そうだ。アナの方には私から説明しておこう」
Ri「……助かるよ」
ビルから出てきた、というターゲットがタクシーに乗り込むのを確認し、バイクで追跡を開始するリック。
彼が使うこのバイクは日本製のシッツ・PCJ600。いろんなバリエーションがあることもあって、ネイキッドを好むバイカーからは非常に人気が高く、息の長いモデルだ。
対するタクシーは最近これに置き換わりつつあるというカニス・セミノール。徐々に台数を増やしていることもあり、街ではそこそこ見かける存在だ。
かつてはヴァピッドのハントレーや一部SUVがタクシーの全体4割ほどを占めていたこともあるが、生産終了と共に台数を減らし、ここ数年はセダン型が以前と同じように主力だったが、ここに来て主力をすべてこのSUVに置き換えて行くというのだから驚きだ。
慧音「ターゲットについて説明してなかったな。FIBのデータベースに登録されてる人間で名前はアリアナ・スプリント」
Ri「FIBの人間か?」
慧音「全く違う。そもそも彼女はアメリカ人じゃなくイギリス人だ。生まれも育ちもな」
Ri「ならどうしてアメリカに?」
慧音「少し調べてみよう」
今回のターゲットはアリアナ・スプリント、という女性だ。FIBのデータベースにも”犯罪者”として名前が登録されている人間。
だが、こうしてFIBのビルから出てきたということはいかにFIBが腐敗しており、犯罪者ライクな組織となっているかがうかがい知れる。
ターゲットの乗るタクシーはとある場所へと到着するとアリアナ1人を残して走り去っていく。
彼女が行きついた先、それはロスサントスに2か所あるブラウンストリークの駅の内の1つ、ユニティ駅。貨物線も引き込んであるここは港からもほど近い場所。
何故彼女がこちらの駅に到着したのかはわからないが、どうやらここで誰かと待ち合わせているようだ。
Ri「ここからだと聞き取れないがどうやら男と会ってるみたいだな」
慧音「相手の容姿はどうだ?」
Ri「身長は180くらいか? 黒いスーツにサングラス。見るからにFIBの職員って感じだが……」
バイクから降りて近づくにはリスクもある、ということでバイクで近づけるギリギリの距離で様子を伺うリック。
傍から見ればバレバレだが、相手に見つからなければどうってことはない。相手の観察を続ける。
Ri「動き出した。電車に乗るみたいだな」
ターゲットのアリアナは電車に乗り込みどうやら移動を開始する用だ。方角的にはマーケット駅の方だが……中心地に戻るのだろうか。
今回の尾行にバイクを選んだのは正解だったかもしれない。リックはバイクごと駅に進入し、走っていく電車の後ろを付けるように線路へと侵入させる。
本来ならこれは交通違反ではあるが、今回は慧音もこういう軽犯罪に関しては容認している。元々この程度の犯罪は犯してきたリックだ、特に気にする素振りは見せない。
慧音「アリアナ・スプリントに関してだが、どうやら彼女はモーニングスターという組織のトップに居る男の秘書として、あるいはサブリーダーとして君臨しているようだ」
Ri「俺らを襲ってきた奴らも確か……」
慧音「ああ、そうだ。そいつらもモーニングスターだ。少しこの案件は調べる必要がありそうだ」
地下鉄内を追跡しつつ、慧音からの連絡を受けるリック。どうやら彼女はリックたちを襲撃してきたモーニングスターのトップに限りなく近い人間らしい。
慧音の調べにより、アリアナはモーニングスターの長の右腕兼秘書、それでいて博士号等のスキルを活かしたモーニングスターの経営関係をすべて任されている、と言う話だ。
マーケット駅、予想通りロスサントスは出ることはせず、この駅で降りて行くターゲット。
そのまま地上への階段を上っていくターゲットをバレない場所からゆっくりと追いかけて行くリック。
Ri「またタクシーに乗ったみたいだな」
継続して慧音に報告しつつ、ターゲットの乗り込んだタクシーの追跡をするリック。
今度は何処に向かうのか、見当もつかないがこのまま戻るにしても慧音の話ではモーニングスターのここにおける拠点はイーストロスサントス。そう考えたらわざわざここへは来ないはずだ。
タクシーを追跡して行くうちにたどり着くのはロスの中心地からほど近いキャセイシアター。
映画の新作発表などが頻繁に行われるほか、普通の映画館としても営業されているここはロスサントスの観光スポットの1か所で人気も高く、常に観光客で溢れている。
Ri「キャセイシアターで降りたぞ」
慧音「そうか……そのまま尾行を、と言いたいんだが今日のところはそこまでにして引き上げてくれ。アナが君との和解の条件を提示してきた」
Ri「和解の条件?」
慧音としてはこのまま尾行の継続を、と行きたいところだったが慧音が送ったメールによってリックの和解の条件、というのがアナから返ってきた。
もっとも、そんな条件をさせる義理もないわけだが、慧音としてはリックもアナも、言い方こそ悪いが自分の目的のために旨い具合に動いてほしいのだ。
もちろん、相応の報酬は出すつもりだし、危ない橋も多少は渡らせることはするが、絶対ではない。
慧音「詳しくはアナの方が話してくれるはずだ。GPSに位置を送っておいたから向かってくれ」
Ri「嫌な予感しかしないな……」
慧音はアナの指定した場所をリックのGPSに送れば通信を切る。とにかくこれで一仕事終えた。
リックとアナはそれぞれ自身に任せるとして今はモーニングスターについての情報を集める時だ。
Act.16/Act.18
慧音「そんなことがあったとは……急にすまなかったな」
Rick(Ri)「いや、大丈夫だ。それに個人的に気になる案件だったしな」
ロスサントス、ダウンタウン。FIBビルの下でバイクにまたがりビルを見上げつつ、インカムで慧音と話すリック。
何故中に入らずにここに居るのかと言えば、実に単純な理由からで、慧音からの依頼でとある人物をマークすることになったからだ。
おそらくは元々もう1人の方がやるべき仕事だったのだろうが、前にも聞いた通り、そいつは別の案件でリバティーに飛んでいるからこちらに回ってきたと考えるのが自然だ。
Ri「ターゲットが出てきた。タクシーを使うみたいだな……追跡する」
慧音「よろしく頼む。……ああ、そうだ。アナの方には私から説明しておこう」
Ri「……助かるよ」
ビルから出てきた、というターゲットがタクシーに乗り込むのを確認し、バイクで追跡を開始するリック。
彼が使うこのバイクは日本製のシッツ・PCJ600。いろんなバリエーションがあることもあって、ネイキッドを好むバイカーからは非常に人気が高く、息の長いモデルだ。
対するタクシーは最近これに置き換わりつつあるというカニス・セミノール。徐々に台数を増やしていることもあり、街ではそこそこ見かける存在だ。
かつてはヴァピッドのハントレーや一部SUVがタクシーの全体4割ほどを占めていたこともあるが、生産終了と共に台数を減らし、ここ数年はセダン型が以前と同じように主力だったが、ここに来て主力をすべてこのSUVに置き換えて行くというのだから驚きだ。
慧音「ターゲットについて説明してなかったな。FIBのデータベースに登録されてる人間で名前はアリアナ・スプリント」
Ri「FIBの人間か?」
慧音「全く違う。そもそも彼女はアメリカ人じゃなくイギリス人だ。生まれも育ちもな」
Ri「ならどうしてアメリカに?」
慧音「少し調べてみよう」
今回のターゲットはアリアナ・スプリント、という女性だ。FIBのデータベースにも”犯罪者”として名前が登録されている人間。
だが、こうしてFIBのビルから出てきたということはいかにFIBが腐敗しており、犯罪者ライクな組織となっているかがうかがい知れる。
ターゲットの乗るタクシーはとある場所へと到着するとアリアナ1人を残して走り去っていく。
彼女が行きついた先、それはロスサントスに2か所あるブラウンストリークの駅の内の1つ、ユニティ駅。貨物線も引き込んであるここは港からもほど近い場所。
何故彼女がこちらの駅に到着したのかはわからないが、どうやらここで誰かと待ち合わせているようだ。
Ri「ここからだと聞き取れないがどうやら男と会ってるみたいだな」
慧音「相手の容姿はどうだ?」
Ri「身長は180くらいか? 黒いスーツにサングラス。見るからにFIBの職員って感じだが……」
バイクから降りて近づくにはリスクもある、ということでバイクで近づけるギリギリの距離で様子を伺うリック。
傍から見ればバレバレだが、相手に見つからなければどうってことはない。相手の観察を続ける。
Ri「動き出した。電車に乗るみたいだな」
ターゲットのアリアナは電車に乗り込みどうやら移動を開始する用だ。方角的にはマーケット駅の方だが……中心地に戻るのだろうか。
今回の尾行にバイクを選んだのは正解だったかもしれない。リックはバイクごと駅に進入し、走っていく電車の後ろを付けるように線路へと侵入させる。
本来ならこれは交通違反ではあるが、今回は慧音もこういう軽犯罪に関しては容認している。元々この程度の犯罪は犯してきたリックだ、特に気にする素振りは見せない。
慧音「アリアナ・スプリントに関してだが、どうやら彼女はモーニングスターという組織のトップに居る男の秘書として、あるいはサブリーダーとして君臨しているようだ」
Ri「俺らを襲ってきた奴らも確か……」
慧音「ああ、そうだ。そいつらもモーニングスターだ。少しこの案件は調べる必要がありそうだ」
地下鉄内を追跡しつつ、慧音からの連絡を受けるリック。どうやら彼女はリックたちを襲撃してきたモーニングスターのトップに限りなく近い人間らしい。
慧音の調べにより、アリアナはモーニングスターの長の右腕兼秘書、それでいて博士号等のスキルを活かしたモーニングスターの経営関係をすべて任されている、と言う話だ。
マーケット駅、予想通りロスサントスは出ることはせず、この駅で降りて行くターゲット。
そのまま地上への階段を上っていくターゲットをバレない場所からゆっくりと追いかけて行くリック。
Ri「またタクシーに乗ったみたいだな」
継続して慧音に報告しつつ、ターゲットの乗り込んだタクシーの追跡をするリック。
今度は何処に向かうのか、見当もつかないがこのまま戻るにしても慧音の話ではモーニングスターのここにおける拠点はイーストロスサントス。そう考えたらわざわざここへは来ないはずだ。
タクシーを追跡して行くうちにたどり着くのはロスの中心地からほど近いキャセイシアター。
映画の新作発表などが頻繁に行われるほか、普通の映画館としても営業されているここはロスサントスの観光スポットの1か所で人気も高く、常に観光客で溢れている。
Ri「キャセイシアターで降りたぞ」
慧音「そうか……そのまま尾行を、と言いたいんだが今日のところはそこまでにして引き上げてくれ。アナが君との和解の条件を提示してきた」
Ri「和解の条件?」
慧音としてはこのまま尾行の継続を、と行きたいところだったが慧音が送ったメールによってリックの和解の条件、というのがアナから返ってきた。
もっとも、そんな条件をさせる義理もないわけだが、慧音としてはリックもアナも、言い方こそ悪いが自分の目的のために旨い具合に動いてほしいのだ。
もちろん、相応の報酬は出すつもりだし、危ない橋も多少は渡らせることはするが、絶対ではない。
慧音「詳しくはアナの方が話してくれるはずだ。GPSに位置を送っておいたから向かってくれ」
Ri「嫌な予感しかしないな……」
慧音はアナの指定した場所をリックのGPSに送れば通信を切る。とにかくこれで一仕事終えた。
リックとアナはそれぞれ自身に任せるとして今はモーニングスターについての情報を集める時だ。
Act.16/Act.18