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ロスサントス ダウンタウン FIBビル
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?「久しぶり、アナ。中々連絡が取れないから心配したの? しばらくこっちに来てないみたいだけど?」
Ana(An)「連絡が遅れてすみません、部長。少々トラブルが起こりまして」

アナの携帯を鳴らし、彼女に丁寧な言葉を使わせる存在。
この女性はFIB情報部で部長を務める女性、ザラ・ジンデル。アナの直属の上司であり、絶対的な信頼における人物。地位は比較的高いのもあり、敵は多いが見方も多い存在。
FIBの大多数は汚職派であり、彼女はそんな中では珍しい”中立派”。少数派の反汚職派にも手を貸すことがたびたびあり、
汚職派の連中は彼女を危険視している事も多いが、彼女はそんなことを気にすることなく自分の意のままに行動を起こしている。

gta_sa 2016-08-24 16-12-21-817
Zara(Za)「ああ、そういえば”得体のしれない連中”に命を狙われていたんだったわね」
An「ええ……」

暫らく見ていないから連絡をした。
だが、考えて見れば前に慧音、そしてアナからも電話とメールで彼女が今、どこかの組織に命を狙われてる話を聞いたのを思い出す。
いつものザラにしてみれば珍しいミスではあるが、アナは心から信頼における、大切な部下の1人。その部下の声を聞けただけでも良しとしよう。

gta_sa 2016-08-24 16-12-32-958
Za「無理にこっちに来なくてもいいわ。あなたが元気ならそれで充分。私の方でも何人か人を動かして調べてみるからあなたも自分で調べなさい?」
An「もちろん、わかっています」
Za「慧音に感謝しておくことね。彼女なしで休職を認めることはなかったから。それじゃあ」

となれば用件はない。声を聴くつもりなどなかったが、生存確認が出来たので良しとしよう。
しかし、このまま彼女を復職させるためには、命を狙っているという組織を見つけ出す必要があるのも同時にわかった。
これはアナ自身が動くべき問題だが、こちら側も動けばより早く問題を解決できるはず。

だが、こちらが動く必要性はないとも言える。あくまでこれは”彼女”の問題だからだ。だが、手元に”信頼できる部下”を置くためならそれくらいのことをすることはたやすい。

さて、現在アナは休職と言う形を取っているわけだが、これには慧音による鶴の一声によるものが大きい。
中立である彼女は一応慧音に借りをいくつか作っている。それはその借りを返す一環のようなもの。まぁ、この程度の物なら容易いことなのだが。

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Za「……おそらく可能性が高いのはモーニングスター。近くの映像に奴らの車が何台も写ってる。けれど今は手出しができないわね」

既にザラはどの組織が彼女を狙っているのか、大体予想を付けている。とは言え、これはFIBが簡単に手出しできる組織ではない。
……というのも、ザラが、ではなく汚職側で権力を持つ人物が多数この組織と取引を行っている。下手につつけばどこで口封じに出てくることやら。

とはいえ、このまま野放しすればまた暴れまわるのに違いはない。だが、今の状態で出来ることも何もない。
自分の身を、そしてアナを守るためにもすぐに動くことは命取りとなる。今は慧音、そして他の誰かの協力を仰ぎたいところなのだが……。



ロスサントス LSIA
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?「こっちは暑いな。はるばる12時間近くもかけて来たわけだが……」

ロスサントスの地を踏む、1人のイギリス人の男。
ロンドンのヒースロー空港発、サンアンドレアス州ロスサントス国際空港着の飛行機でおよそ半日のフライトをしてやってきたのは1人の男。
――マーカス・ブラウン。彼の名前だ。イギリスの諜報機関SIBに所属する彼はわけあってこのロスサントスへと訪れた。

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Marcus(Mb)「アメリカなんて何年ぶりだったかな」

仕事柄、世界中を旅することなんてよくあること。アメリカにも何度も訪れているが、西海岸どころかアメリカ自体を訪れるのは実に数年ぶりのこと。
ちょっと前はエジプトのカイロに。その前はブラジルのリオ。その前は……ときりがないほど世界中のあちこちで仕事をしてきたわけだが、
今回の仕事だけは特別でもしかすると休暇がてらの仕事が出来るかもしれない。

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Mb「流石に迎えなんかはないか……こっちには先に華仙が来てるはずなんだが……」

華仙とマーカスは顔見知り。というよりも同じ上司を持つので当たり前だ。女たらしとしても名高い、彼マーカスだが、唯一彼が落とせないでいる女性。
それは他でもない、同僚である華仙だ。まぁこんなゲスのような男と一晩を過ごしたい、など彼女は全く思わないだろうし、
付け加えておくとすれば傾向として”同業の人と付き合うこと”を嫌う女性は多いのだ。

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マーカスは事前に空輸で運び込んでおいた、デュボーシーの最高傑作とも名高い、名車デュボーシー・JB700に乗り込む。
特殊なギミックも仕掛けられているが、ここでは発動させる必要性はなく、あくまで”飾り”と言う名目で運び込んでいる。

JB700のアクセルをゆっくりと踏み、決して急ぐことはなく、かといって遅すぎることもなく、駐車場を出て、中心地、ダウンタウンへと向かう。
イギリスから持ち込む際に、サンアンドレアスでもしっかりとナンバープレートを登録しておいた。警察に呼び止められることもないだろう。



Act.27/Act.29