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ロスサントス ダウンタウン ホテル
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Marcus(Mb)「華仙はもうホテルには戻ってる頃か?」

時刻は午後の7時を回ったところ。サンアンドレアス・ロスサントス、今日の天気は晴れ。
青空が1日中広がった今日の気温は暑く、いくら夏用のスーツとは言え少しばかり汗をかいてしまった。
元々、サンアンドレアス州は1年を通して比較的気温が高く、冬場でも半袖で過ごせる気候ではあるので、スーツで居ればそれは暑いのは当たり前だ。夏に近い6月ともなればなおさらだろう。

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Mb「しかしアメリカはいつ来ても治安が悪いな」

ある程度地形を把握しておきたい、というのもあり、今日は1日中ロスサントス市内とその周辺を愛車であるJB700でドライブしていたわけだが……。
ここまで治安が悪いとは思いもしなかった。マーカス自身がロンドンの、比較的安全な治安に慣れてしまっているというのもあるだろう。
しかし、これでも随分マシになった、という話がどうも信じられない。
スラム街を通れば、懐かしきカラーギャングの姿や、殴り合いをしているチンピラに、スリを働こうとしている若者、とこれでも劇的に治安がマシになったと言われてもイマイチ信じがたい。
まぁ、長期的な滞在になることはあってもここで一生を過ごすわけではないし、気にすることはないのかもしれない。それに愛車に特別被害があったわけでもない。それだけでも十分だ。

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Mb「華仙が居る部屋は6階だったかな」

とりあえず、今は一度彼女と顔を合わせ、情報を共有しようということで車をホテルの駐車場に止めておき単身ホテルへと足を踏み入れて行く。
しかしながら、華仙がこのホテルにいると聞いたのは長官からの電話であり、メールで詳しく教えられていたわけではない。
おかげで、イマイチ6階にある部屋だった確証が持てない。まぁ、まだまだこっちには滞在する予定だし、そこまで急ぐ必要もないだろうと楽観的な考えのまま、ホテルのエレベーターへと入る。



ロスサントス イーストロスサントス ピッグペン
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Ariana(Aa)「いい? 私は反対したわよ? ボスの言うことが聞けないなんてアンタ、ホントにまとめ役としては向いてないわね。どうせあの女に指図されたんでしょ」
?「何度も言わせるな、俺がここでの”ボス”なんだ。またとない機会だ、絶対に襲撃を敢行させる」

ロスサントス東にある、ストリップクラブ・ピッグペン。そこで口論になっている2人の男女。
現在は就業時間前であり、店内に客は誰1人としておらず、居るのは従業員のストリッパーとエステティシャン、バーテンダーくらいなものだ。
とはいえ、その口論は店で働く従業員も少し驚くほどで、時折この2人の様子を遠巻きから眺める従業員も居る。

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Aa「もう好きにすればいいんじゃない? 責任はすべてアンタにあるわけだから。私はこれ以上は干渉しないわ」

そう捨て台詞を吐いて、1人でその場を立ち去る女性。従業員はその雰囲気から誰も彼らに声を掛けることはしない。
男はと言えば、特に気にする様子もなく、そのまま別のところに電話を掛けているようだ。

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Aa「まったく、ロクでもない奴だわ」

ここに来て垣間見えるモーニングスターの相関図。
モーニングスターのボスは仮にも今、ピッグペンの中にいる男ではなく、ヨーロッパ・フランスに居るとある人物らしいが、彼はアメリカにはいない。

そしてヨーロッパに居る”ボス”の直属の秘書が彼女、アリアナなのだが……。
アメリカでの支配拡大のためにこのピッグペンの中にいる男と共にアメリカにやって来たとは言え、こんなことになるとは思いもしなかっただろう。

まさか権力を良い様に弄ぶとは。そして何よりも腹立たしいのはモーニングスターに入りびたり、アメリカでの”ボス”を取り入った女だ。
彼女はモーニングスターを掌握するため、権力を誇示するためにハニートラップを仕掛けてきたに決まってる。そんなトラップにやすやすと引っかかる”ヤツ”がアリアナには許せない。

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Aa「何か良い手段はない物かしら」

権力をこちらに戻すための何らかの手段が今必要だ。
どう考えてもこのまま突き進めば少なくとも本国に居る”ボス”にとってはマイナスになることは間違いないことだろう。
アリアナとしてはそれだけはどうしても避けたいのだ。そもそもアリアナをこちらに送ってきたのはこういうことになるのを考えての事だろう。

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Aa「敵の敵は味方。何か良い手立ては絶対にあるはずだわ」

昔から”敵の敵は味方”という言葉がある。
これは言葉の通りの意味だが、モーニングスターの敵であるシンジケートの別の敵がわかれば、もしかすると何か奪回策が生まれるかもしれない。



ティエラロバーダ 邸宅
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慧音「わざわざここに来なくとも、言ってくれれば私からそっちに向かったのだが……」
Zara(Za)「そうはいかないわ。慧音、君にはうちの部下のことでお世話になっているもの」
慧音「気にしなくとも、私の方だってザラ、あなたには世話になりっぱなしだ」

サンフィエロ北、ティエラロバーダにある慧音の邸宅で開かれているちょっとした会合。
FIB情報部部長ザラ・ジンデルとFIBエージェントでありながら、太いコネクションを持つ慧音の2人は、慧音の邸宅で会話を重ねる。

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Za「貸し借りは無しって前に話したでしょう? それはそうと、今回の一件に関してはすべて君に任せるほかなくてね」
慧音「つまり、あなたの部下のアナと重要な生き証人のリックを私に守ってほしいということか?」
Za「話が速いわね。そういうことよ。今回ばかりは相手が悪すぎるわ」

2人の間柄は既に”貸しも借り”もない関係。お互いで立場は違えど目的は同じ。
とは言え、慧音とは違ってザラは幾度となく”汚れたこと”をしてここまでのし上がってきた。もちろん、それを後悔していないわけではない。
だが、時にはこういう手段も必要と言うわけだ。それにそういう”汚れ仕事”を別の人間に任せているという点では慧音も同じ。必要な犠牲、というわけだ。

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慧音「相手が悪い? 相手はモーニングスターだろう?」
Za「そこが問題なのよ。”悲劇のバレンタイン”でFIBが取引したのはモーニングスター。そして未だに両者をつなぐ人間が居るのがわかった以上、手出しできないわ」
慧音「だから私の出番ってわけか……」

本来ならばザラが動きたいところではあるが、ここで表だって動くとザラは今まで築き上げてきた地位を失いかねない。
アナ、そしてその直属の上司であるザラが追っているのは他でもない、この”悲劇のバレンタイン”なのだが、あの”襲撃”は完全に想定外のトラブルだった。
あの襲撃が意味するのは”あの悲劇”が終わっていないどころか、未だにあの悲劇からより悪化した汚職が続いているということだ。

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Za「モーニングスターに関連した情報は既に調べ上げてるわ。もっとも、君の事だから既にある程度は集めているんでしょうけど」
慧音「お察しの通り、ある程度の情報なら既に収集済みだ。でもそうとなればもっと情報が必要になるな。内部に探りも入れたいところだが……」
Za「内部に探りは入れてるんだけど……ここ数日連絡が取れない。おそらくバレて始末された可能性が高いわ」

モーニングスターに関連した情報を既に集めているが、それはお互いだ。
お互いで情報を集める理由は異なっているが、それはつまり”モーニングスター”という犯罪組織が大きい組織であることを何よりも示している証拠。
しかしながら、頼りの綱だった”スパイ”が始末されてしまうとは、やはりモーニングスターは用心深く、メンバーの内情を調べ上げることを得意としているようだ。



Act.30/Act.32