cut4


レッドカウンティ
gta_sa 2017-05-27 00-00-06-854

ロスサントスから北へ、ラスベンチュラスから南西へと向かったところに位置する田舎町の一角。
インスティンクトの面々はレッドカウンティと砂漠地帯を結ぶ橋のたもとで”ある物”を待ち伏せしていた。

gta_sa 2017-05-27 00-00-46-514
Franklin(Fr)「後どれくらいだ?」
アリス「そこから2マイル弱ってところかしら。あと数分もすれば橋を通過するはずよ」

フランクリンはターゲットの現在地をバックアップに回っているアリスに確認する。
アリスによれば、ターゲットがこちらに来るまであと数分。
今回の大まかな強奪作戦は橋の上で挟み撃ちをし、ターゲットの逃げ場を奪ったうえで急襲。後はターゲットを強奪して拠点まで運ぶだけの実にシンプルなプランだ。

gta_sa 2017-05-27 00-20-11-685
Edie(Ed)「来たみたいだぞ」

今回のターゲットはMTL・ブリッケード。
ブリッケード自体は比較的高額なキャンピングカーをベースにちょっとした装甲と性能強化を施した物資輸送用のトラックだが、何故プアホワイトがそんなものを保有しているのだろうか。
やはり近頃巷で話題に出てくる”カルテル”の援助を受けているとみて間違いないのだろう。
そしてブリッケードを護衛する形で2台の装甲が施されたカニス・セミノールと1台のピカピカのテロン・ピコ。
高額なドラッグを複数積んでいることを考えれば警備が非常に手厚いのも納得だ。

gta_sa 2017-05-27 00-32-02-992
Fr「予定通り進めるぞ」

フランクリンのその一言でメンバーはブリッケードの車列を包囲する。
まずはフランクリン、そしてエディの2人が黒のウィラード・ファクションとカリン・レベルをベースにしたテクニカルを止めて前方を塞ぎ、テクニカルの機銃で威嚇射撃を開始する。
安く買ったが故のテクニカルに積まれている機銃はメンテナンスが最悪だったのだろう。すぐに弾がジャムる為、あくまでも威嚇射撃だけ。後は此方が持っている軽機関銃であるクルコフで応戦するしかない。

gta_sa 2017-05-27 00-32-24-342

続いてファビアーノ、魔理沙の2人が背後から車列に近づき、道路を通行止めする形でギャングブリート2台で道を塞ぐ。
これで橋の上で立ち往生せざるを得なくなり、ブリッケードの逃げ道を奪う。ここまでは計画通り。後はこのまま計画している通りに進むのを願うだけ。

gta_sa 2017-05-27 00-38-20-477
「クソ、襲撃だ!!返り討ちにしてやれ!!」

誰が叫んだかはわからない、恐らく警護しているプアホワイトの連中が叫んだのだろう。
だが、その声がかき消されるかのように銃声が鳴り響き、それが開始の合図かのように激しい銃撃戦が繰り広げられる。

gta_sa 2017-05-27 00-46-10-859
魔理沙「チッ、いつもと同じでピストルを使ってるかと思ったんだけどな」
Fabiano(Fa)「ああ、まったくだな」

プアホワイトの連中の基本装備はピストル。貧弱な装備故に、これまでの強奪の際には大した脅威ではなかったのだが、今回ばかりは違う。
と言うのも彼らが使う武器はMP5。おそらくこれも”カルテル”によって支給されたか安価で売られた武器なのだろう。

gta_sa 2017-05-27 00-39-28-629
ダダダダダダ!!

フランクリンはクルコフ、エディはポンコツなテクニカルの機銃で敵をなぎ倒しつつ、ブリッケードのドライバーを狙う。
個々で取り逃がしてしまうと追いかけるのが手間だ。というのもブリッケードは突進力が高い輸送車両として名高い車であり、そのプッシュパワーは同クラスのトラックを引きずって走れるほど。
前後で銃撃戦が繰り広げられてるが故にドライバーが怖気づいて逃げようにも逃げられないようだが、いつ逃げ出すことやら。

gta_sa 2017-05-27 00-39-40-115
Dalton(Da)「くたばれ!!」

大声を荒げながら自分だけ他のメンバーよりも性能のいいM4カービンを使っているこの男は紛れもない、プアホワイトを率いているダルトン・リエノ。
彼は最近買ったばかりなのだろう、まだ比較的ぴかぴかの格安市販車テロン・ピコの運転席から降りて武器を持って応戦している。

gta_sa 2017-05-27 00-40-06-141
Ed「これでも喰らえ、クソ野郎!!」

フランクリンがドライバーを狙っている一方でエディはテクニカルの機銃を弾幕のようにばら撒き、それを次から次へと敵に当てて行く。

Da「クソ、まだ新車を買って1か月しか経ってないってのに」

エディのテクニカルの機銃が被弾したのか、はたまたフランクリンのクルコフが被弾したのかはわからないが、ダルトンは崩れ落ちて彼自身の愛車にもたれかかる。
だが、フランクリンも、そして他のインスティンクトの面々もそんな彼を気に留めることもせず、制圧を徐々に完了させていく。

gta_sa 2017-05-27 00-52-59-282
魔理沙「こっちは制圧完了したぜ、フランクリン!」
Fr「こっちも完了だ……いや、待て」

後ろ側の制圧が完了報告を受け取る頃には前方の制圧も完了、後はお目当てのブリッケードを奪うだけ……なのだが、フランクリンはある人物が目に入る。
そう、被弾してダウンしたプアホワイトの親玉であるダルトン・リエノだ。

gta_sa 2017-05-27 00-53-06-503
Da「い、命だけは!!」

この場に及んで命乞いするダルトン。しかし、彼と面識があるわけでもなければ、因縁もない、何かしらの感情を抱いているわけでもないフランクリンは銃を彼に向ける。
そして――。

gta_sa 2017-05-27 00-53-54-791
パン!!

と乾いた音が一発だけ鳴り響けば道路にはさらにもう1人分の血が広がっていく。
フランクリンは一言、”行こうぜ”とメンバーに伝えればブリッケードの助手席へと乗り込む。

gta_sa 2017-05-27 01-08-38-952
Ed「随分あっけない終わり方だったな」
Fr「面識もないしな」
Ed「ブツは奪われて命まで奪われるんだから気の毒だよな」

彼の最後は随分あっけない物だった。
だが、このまま放置したところで警察に捕まるか、衰弱して死ぬかの二択しかなかったことを考えればこの選択は彼にとっては良かった事……なのかもしれない。


ラスベンチュラス LVA 貨物駅 ガレージ
gta_sa 2017-05-27 01-18-06-513

またしてもボディサイズ的にガレージの中に入れるのは不可能と判断し、ブリッケードをガレージの裏手に運び込むエディとフランクリン。
数日前に強奪したロードトレインの隣に止めればそのまま中の積み荷を確認することなく、そのままにしておく。
というのもレスターがブリッケードごとこのドラッグを売却する先を見つけているらしい。タンカーの時と言い、流石レスターと言うべきだろうか。

gta_sa 2017-05-27 01-18-35-833
アリス「おかえりなさい」
ぬえ「おかえり。その様子だと、成功したみたいね」
魔理沙「ぬえじゃないか。こっちに来てたのか」

拠点に戻った彼らを待ち受けていたのが意外な来客。
赤色の目立つデクラス・ヴードゥーをガレージ内に止めてアリスと共に彼らの帰りを待っていたこの人物は違法ストリートレース界のドリフトクイーンとして知られる封獣ぬえ。

gta_sa 2017-05-27 01-21-29-128
Fr「どちら様だ?」
Fa「あいつは封獣ぬえ。ベンチュラスのストリートレース界では有名な"DQ"さ」

彼女とインスティンクトのメンバーで面識があるのは魔理沙、そしてファビアーノの2人だけ。
フランクリンを含む他のメンバーとは面識がないが、アリスは彼女が”魔理沙の友人”である事を彼女から聞いたのだろうか。
警戒はしていたのかも今ではわかりようがないが、ガレージに車を止めさせたことを考えればそこまで警戒はしていないのだろう。

gta_sa 2017-05-27 01-21-47-184
Fr「もしかして情報提供者ってのはあんたのことか?」

今回のこの襲撃プランを遂行する上で彼女は一役買っている。
というのも今回のこの強奪プランを組むうえで欠かせないプアホワイトの配達ルート、使用車両、日時などすべて情報提供元は彼女なのだ。
この情報があったからこそ、強奪計画が上手く行ったと言えるだろう。インスティンクトの面々と、彼女はしっかりを顔合わせをするのだった。



Act.36/Act.38