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ロスサントス ロスサントス警察署 屋上
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四季「小町、どういうことですか?」
小町「四季様、それがどうやらモーニングスターと内通してる者が居たようで……」
四季「つまり、そこから情報が洩れていたと?」
小町「そういうことになります」

ロスサントス警察署屋上。事件現場に向かうために四季はヘリコプターを手配して待機させていた。
出発の間際、小町から急に電話が入り、直接報告をしたいと、連絡を受けてヘリポートにて待機していた。
電話が来てから15分ほど経った頃、顔を見せた小町から受け取る報告は出来れば受け取りたくはない物だった。

どうやら、IAAに回した情報を先に誰かがモーニングスターの幹部クラスの連中に回していたらしい。
小町は既にその情報を回した警察官が誰なのか、目星が付いているらしく、小町によればおそらくモーニングスターの幹部クラスにお金で買収されたのだろうと。

四季映姫がSAPD本部長に就任してから、汚職を極力排除するように試みては居たのだが、既ZPDが解体されてからもなお、絶えず汚職は出てしまっている。
いくら四季が尽力し、それに賛同する者が居たとしても、そのすべてをコントロールすることは実質不可能。故に、今回のようなケースも多かれ少なかれ出てくる。

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四季「どうりでIAAが踏み切ったところでもぬけの殻だったわけですか……IAAにはこちらから通達しておきます。報告感謝しますよ、小町。引き続き捜査を」
小町「はい、四季様」

IAAの文から事の顛末は聞いていた。捜査に踏み出した時点で銃撃戦に発展したこと、
ストリップクラブ・ピッグベン内には幹部クラスのモーニングスターのメンバーが居なかったこと、情報を得たのがおそらく霍青娥であること。
とは言え、ストリップクラブの制圧自体は完了したようで、現在モーニングスターの物件ではなくなったらしい。それが唯一の救いだろうか……。

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四季「……私です。既に存じているとは思いますが、どうやらこちらの警察官が情報をあちらに洩らしてたようです。私の不手際です。申し訳ありません」
文「貴方の責任ではありませんよ。私達も、最低限の成果は得ることが出来ました。ご協力感謝します」

四季は文に連絡を取れば、小町から受け取った報告をそのまま文に伝える。今回の落ち度は多かれ少なかれ、四季にもある。
無論、四季を責めるのは間違いだ。しかし、自身の組織から情報が漏れていた事実は紛れもなく、四季は謝罪の言葉を述べる。

文はそれを咎めることはせず、むしろ感謝の意を述べた。
結局のところ、彼女自身が、四季がSAPDから汚職を失くそうとしている事を理解しているし、事実、最低限の成果を挙げられたので結果的には悪くはないからこその大人の対応と言えるだろう。



ティエラロバーダ 邸宅
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妹紅「慧音、IAAがモーニングスターの所有物件にガサ入れしたらしい」
慧音「そうなのか。どこでそんな情報を?」
妹紅「知り合いにちょっとな」

リビングで寛ぎながら、妹紅の携帯に受信される一件のメッセージ。
すぐにそのメッセージを確認した妹紅はそれがIAAの椛から送られてきたものだと気付く。

具体的な内容を要約すれば、モーニングスターの所有物件の1つであるピッグベンにガサ入れをしたものの、
幹部クラスの者が居ないどころか、まるで待ち構えるかのごとく襲撃に遭い、銃撃戦に発展。
結果として空振りに終わってしまったという事らしい。

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慧音「それで……結果はどうだったんだ?」
妹紅「空振りだってさ。幹部クラスが居ないどころか、情報が洩れて逆に罠にはめられたって」
慧音「そうか……、SAPDにもFIBと同じで汚職に手を染めてる連中は多いらしいからな」

慧音と言えど、やはりIAAが今現在何をしているのか、全く気にならないわけではない。いつでも、此方から近づいて情報を集めることは可能だが、慧音はそれをしない。
おそらくそれは文とあのような仲違いの仕方をしてしまったから。思い出したくないのだろう。妹紅もそれをなんとなく察して、敢えて触れずにおいた。

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妹紅「なあ、慧音。一度ラスベンチュラスに行かないか?」
慧音「ラスベンチュラス?どうして?」
妹紅「遊びに行くのさ。それにここじゃ街から離れてるし、STAG法案をみんなどんな風に受け止めてるかすぐには情報が入ってこないだろ?」
慧音「……それもそうだな。早速明日から向こうに行くとしよう」

ふと、妹紅は思い立ったようにラスベンチュラスに行くことを提案する。
理由は単純。最近気分が落ち込み気味の慧音に元気になって貰いたいから。
とは言え理由はそれだけではない。STAG法案を巡ってアメリカが分断されていると言っても過言ではない今、一般市民がSTAG法案に抱く感情を知るという目的もある。
今2人が住んでいるティエラロバーダはサンフィエロからほど近い場所とは言え、都市部からは離れている。
また、近所に人が住んでいる場所も殆どない為、一般市民の抱く感情を知る機会もないと言える。
……無論、こうすることを妹紅に提案したのは椛なのだが。



サンアンドレアス某所
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Chase(Ce)「例のプログラムは予定通りに進んでるのか?」
研究者「ええ、予定通り。しかし、”彼ら”の技術を持ってしても、1人の人体からそれぞれの人格を取り出すのは至難の技かと」
Ce「いいか、これを応用すれば”クローン”を作り出せる。何より、器はいくらでも居るじゃないか。実験体もな」
研究者「しかし……」

サンアンドレアス某所、STAG研究施設。
政府の公式発表では、STAGは複数箇所に基地及び関連施設を持っているが、場所が非公表となっているこの研究施設もまた、STAGの関連施設である。

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Ce「予算が足りないと言うならいくらでも出させよう。アメリカにはどれだけの犯罪組織が蔓延ってるかわかってるか?」
「コマンダー、そういう問題ではないんですよ」

ここで行われている研究は何も武器の研究だけではない。
以前から度々噂されているのは人体実験の類や、エイリアンの死体を元に生物兵器を作っているのではないか、という物だ。
実際、度々その捕虜が脱走を企てては、あえなく失敗し、再収監されているという噂も定期的に立っている。

gta_sa 2018-05-31 02-33-55-060
Ce「何が問題だと言うんだ?」
「本来、この手の研究は禁止されているんですよ。あなたも元海兵隊ならご存知のはずだ」
Ce「それは”地球人”の話だ。奴らは地球人じゃない。宇宙人だ。ジニャックの忘れ物に過ぎん」
「ですが、彼らのDNAは極めて地球人に近い……獣の姿をした彼らだって半分は地球人と共通のDNAを持ってる」
Ce「だが、コイツらの故郷は地球じゃない。違うか?」

決して”実験”を譲らないチェイスと、自身のしている実験が正しい事なのかと、葛藤する研究者。
当たり前だ。これは論理感を厳しく求められる。世界各国共通の認識として、”クローン”を作り出すことは禁じられている。
無論、人体実験もだ。しかし、現実はどうだろうか。明るみに出ていないだけでもしかすると本当にクローンは造り出されていて、
人体実験は日夜絶えず行われているのかもしれない。人間、特に一般市民が知ることの出来る情報というのは本当に限られているのだから。