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サンフィエロ ドハティ サプリ製造工場
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Tylor(Ty)「なに? 襲撃を受けた?」
Sasha(Sa)「はい、どうやらIAAが調査に入ったところ襲撃を受けたらしく……」
Ty「文たちは無事なのか?」
Sa「ええ、彼らも十分な実力を持ったエージェントですから、返り討ちにしたと」

IAAがSTAGの前哨基地の1つに調査に入った事、そしてそこで奇襲に遭ったことは既にシンジケート内で情報が共有されている。
いよいよもって、彼らは”国家の為”というよりも”自分たちの利益”の為に行動していることが伺えてくる。
このまま野放しにすれば、アメリカは内側から衰退する。その未来はおそらくSTAGが存在する限り、避けては通れないだろう。

gta_sa 2018-06-16 01-55-16-204
Ty「こっちからも仕掛けるしかないな」
Sa「仕掛けるなら残る前哨基地の2つを叩くのが良いかもしれませんね」
Ty「珍しく乗り気なんだな?」
Sa「当たり前ですよ、仲間が襲われて、しかも彼らの存在がアメリカにとって害でしかないんですから……」
Ty「そういうの、アタシは嫌いじゃないぜ」

そっちがやる気ならこっちは”犯罪組織”という立場を活かして、仕掛けるのも手だろう。
サンアンドレアスにはIAAが調査予定だったビッグイアの前哨基地の他にルチャが一度奇襲し、
物資を強奪したロスサントス港前哨基地と、サンフィエロ北に位置するベイサイド前哨基地の2つがある。
これら基地に加えて場所は非公開ながらも、IAAの調査で既に判明した研究施設のエリア69、
STAGの作戦司令部が置かれている元米軍の施設であるラスベンチュラスの燃料基地が存在する。

STAGを完全に消し去るにはそれらの基地を襲撃し、そしてSTAGの悪事を表ざたにする必要がある。
つまり――。

gta_sa 2018-06-16 01-56-53-313
Sa「基地を全部叩いてありったけの資料を強奪、あとはIAAの射命丸さんに引き渡せば、何とかしてくれると思います」
Ty「なるほどな。アタシたちに出来ることは基地を叩いて資料をまた強奪する事だけだしな」

資料を手にしたところで、犯罪組織がそれを公表しようものなら、ねつ造だのやらせだの言われてそれが真実として受け止められることが無くなるだろう。
しかし、IAAという政府機関にそれを公表されたら? ましてや、IAAには”調査の際にSTAGに襲撃された”という事実も存在している。
つまり、圧倒的に今、優位に立っているのはIAA、ひいてはシンジケートと言うわけだ。

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Ty「レティにも声を掛けて同時に2か所を叩くとするか」
Sa「それが今思いつく中ではベストなプランですね。私の方でもいろいろ物資を確保しておきますね」

最も賢いやり方はSTAGの残る前哨基地2か所を同時に叩く事。
片方だけを襲撃して潰してしまえば、残った方の前哨基地の警備は手厚くなるのは間違いないだろう。
そうなる前に、同じタイミングで襲撃を掛ければSTAGに混乱を招く事が出来る。
STAGの前哨基地を排除した上で残すはSTAGが作戦司令部として使用しているラスベンチュラスの燃料基地のみだろう。



ラスベンチュラス スパイニーベッド 燃料基地
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Chase(Ce)「失敗に終わっただと? それでどれだけ不利になるのかわかっているのか?」
「ですが、彼らは想像以上の戦力を持っているようで……」
Ce「仮にも一国の兵士であるSTAGがたかだがエージェント如きにやられるとは情けない。もういい、下がれ」

IAAの調査を認めたのはチェイス自身。それは彼がIAAエージェントを排除するために”敢えて”認めた物だったが、”排除”に失敗。
それどころか、相手が有利になり、こちらが不利になる条件を与えてしまっただけだった。
援護要請を受け取ってベイサイド前哨基地から増援を送ったころには時既に遅し。
ありったけの資料をIAAに強奪され、そしてSTAGから急襲を受けたという事実まで持ち帰られてしまえば、後はもうわかるだろう。

gta_sa 2018-06-16 02-04-03-980
Kimberly(Km)「ライト司令官、独断は許さないと伝えたはずよ?」
Ce「コーニッシュ議員、我々には我々のやり方がある。議員風情の貴女が口を出さないで頂きたい」
Km「私にはSTAGの統率権と司令官の任命権があるの。それを別ったうえでの発言かしら?」

直後にキンバリーからの電話を取って叱責を受けるチェイス。無理もない。彼の独断の結果、今回のような事態を招いたのだから。
STAG崩壊のシナリオが出来上がりつつあるのはもはやSTAG内部でも察知され、士気の低下さえ招き、曇った雰囲気がSTAG内部には漂い始めている。
この組織の老い先長くはないのだろうと。

gta_sa 2018-06-16 02-04-18-281
Ce「ええ、勿論。我々は今窮地に立たされている。今こそ、全兵器の開放を行うべきです」
Km「それは許可できないわ。私の支持者に支持率どころか、治安や市民にさえ影響を及ぼしかねない」

チェイスが今最もSTAGがするべきなのは、全兵器の解放である。
現状、インサージェントトラック及び最新の重火器の使用のみが許され、F-69 VTOLやTM-02ハンジャールの兵装使用は件の射命丸邸襲撃以外では許可が下りなかった。
その射命丸邸襲撃でさえも、ハンジャールの主砲は使用許可が下りず、使われたのはF-69のキャノンのみ。

しかし、今のこの危機的状況に必要なのは世間に”衝撃と畏怖”を与える事であり、この”汚れた部分”を世間から忘れさせることだ。
それに最も効果的なのはこれら兵器を使用し、そしてギャングを一斉に排除することに他ならない。

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Km「何を言おうと私は許可しないわ。あとはそっちでやって頂戴。私は私のするべきことをするまでよ」

そのまま途切れる電話。つまり、許可はしないが尻拭いは自分でしろ、ということだ。
チェイスは眉間に険しくしわを寄せながら、手に持つ端末を強く握りしめる。
彼は感情が非常に行動に出やすい。顔にこそそこまで大きく出ていないが、
強く握りしめられた端末はメキッと嫌な音を立てて液晶が割れたかと思えば、そのまま画面が暗転し、そのまま動作を停止する。



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