ラスベンチュラス ロイヤルカジノ
ラスベンチュラス中心部、ストリップ大通りに面したところにあるカジノ、ロイヤルカジノ。
市内には複数のカジノやホテルがあるが、ここのロイヤルカジノはその中では中堅と言った具合か。
とは言え、ひっそりと佇んでいることもあり、著名人が割と訪れる事でも有名。故に、割と集客具合は良いと言える。
Lester(Le)「こんなことで手伝うのは今回だけだぞ」
Franklin(Fr)「悪いな、レスター。助かるよ」
そこの駐車場に居るのはフランクリンとエディ。
彼らがここに居る理由はインスティンクトのチームメンバーの1人、アリスの姪っ子であるロリスが、彼女の友人でもあるグランベル・スカーレットと共に連れ去られたらしい。
そんなロリスとグランベルの居場所を突き止める為、ここに訪れた。
Le「そこから見える黒と赤のエナスに乗ってる男が彼女達を連れ去ったとみて間違いない」
Edie(Ed)「あの帽子の男か……」
一見すれば、このカジノと誘拐には何ら関係がないように思える。
だが、この誘拐に関与したと思われる男が、このカジノで遊んでいることをインスティンクトを頻繁にバックアップしているレスターが突き止め、それをフランクリンたちに提供した。
向かい側、ロイヤルカジノのエントランスの前に止まっている1台のエナス・スーパーダイヤモンド。
イギリスの由緒正しき高級車ブランドのフラッグシップモデルで、モーニングスターが好んで使っている1台だ。
黒と赤のツートンカラーにルーフの赤色の星に社外ホイールはまさしくモーニングスターが独自のカスタマイズを施している物だ。
つまり、誘拐を手引き、あるいは主導したのはモーニングスターと見て間違いない。
誘拐現場となったショッピングモールでも、同じ仕様のスーパーダイヤモンドと思わしき車も確認されていることから、可能性は100%に限りなく近いだろう。
男は知り合いらしき女性と言葉を一言二言交わすと、一緒にスーパーダイヤへと乗り込んでエンジンをスタートさせ、そのままストリップ大通りへと出る。
その後を追うように、フランクリンとエディも車のエンジンをスタートさせて、その後を追う。
Fr「昼間っから随分なご身分だな」
Ed「俺らだって、強盗で稼いだ金で好き勝手やってるだろ?」
Fr「でも女は買ったりしない」
あの男が助手席に連れ込んだ女性はおそらく売春婦。
アメリカの法律は州によって異なるが、サンアンドレアスでは例外的に一部の地区で認められてるだけで、基本的に売春は認められていない。
しかし、サンアンドレアスには大都市が3つに、小さい田舎町から砂漠、山岳地帯まであるのに加え、格差も激しい地域の1つな為、
ロスサントスやサンフィエロの歓楽街や、ラスベンチュラスには稼ぎを求めて多くの女性が商売を行っている事実も存在する。
警察がそう言った女性を買って遊んでいる事実も存在することから、ある意味娼婦の存在は”黙認”されて居るも同然だ。
男がこのまま監禁場所へ向かってくれるのを祈るも、祈り届かず、まず最初に車が止まったのはロイヤルカジノから一番近くにあるコンビニ、24-7。
助手席に娼婦を乗せている事を考えると、男は監禁場所へはすぐに向かわない可能性もある。となれば、長期戦になってしまうかもしれない。
出来る事なら、そんな面倒なことはお断りしたいところだが、粘り強く彼を尾ける以外、何も手がかりはない。
Ed「買いものするみたいだな……まったく、面倒だな」
Fr「どうせゴムでも買うんだろう。手がかりはあの男以外にない今、根気強く見張るしかないな」
Ed「そこのアダルトショップで買わなかっただけマシだな。このまま真っ直ぐ監禁場所に案内してくれれば良いんだが」
Fr「あのショップは品揃えがアブノーマルよりだしな」
24-7からほど近い場所にはアダルトショップがある。所謂”大人のおもちゃ屋”という奴だ。
普通のコトからアブノーマルなコトまで、なんでもそれに適した商品を販売している。
フランクリンも一度ポルノ雑誌目当てに入ったことがあるらしいが、どうやら品揃え的にはアブノーマル中心らしい。
Ed「出るみたいだぞ」
再びスーパーダイヤに乗り込んだ男と女を尾行する。何を買ったかまではわからないが、おそらくフランクリンの予想は間違っていない物と思われる。
あんな派手な格好をした女性と男が2人きりで車に乗っているのだ。”そんなつもりはなかった”なんてことはないだろう。どこぞのテレビ番組の浮気した男のコメントじゃないのだから。
Le「……よし、こんなものだな」
Fr「どうしたんだ、レスター?」
Le「最近の車は電子制御が多くて助かるな。一度ハッキングしてしまえば、中の会話も筒抜けだ。今そっちのラジオで向こうの会話が聞けるようにしてやる」
最近の車は電子制御が多い。90年代の後半には既に増えていたが、2000年代後半はさらに電子制御化が進み、気付けばハッキングさえすれば遠隔操作さえ可能になってしまった。
ましてや、高級車に至っては車内電話なる設備を搭載しているものも多かれ少なかれ存在し、マイクとスピーカーが搭載されている事も多い。
レスターはそれを逆手に取って、GPSまで用いてターゲットの乗るスーパーダイヤモンドをハッキングし、車内の会話をだだ漏れ状態にしたらしい。
流石は、アメリカでもトップクラスのハッカーと言っても過言ではないだけの人物である。
「ねえ、どこに向かうの?」
「秘密の場所さ。モーニングスターの保有するクラブだ。表向きは会員制のストリップクラブだが、実際はいろんな商品を取り扱ってるオークションをしてるんだ」
「楽しそうな場所ね。でもそんなに私にしゃべって大丈夫なの?」
「君とは2回目だからな。何も問題ないさ」
若干ノイズは残るものの、そこそこ鮮明に聞き取れる車内のやり取り。
どうでも良い情報も多いが、そこそこ重要性の高いと思われる情報も聞き取れる。
これからあの男が向かおうとしているのはどうやらラスベンチュラス市内に存在するモーニングスターの拠点の1つらしい。
そして、その拠点はナイトクラブらしく、そのクラブではどうやら”オークション”を行っているらしい。
Ed「こりゃすごい……」
Fr「オークション?」
Le「モーニングスターは武器とドラッグ、盗品の取引が多いが、人身売買も行ってるという噂がある。だが、事実だったようだな」
レスターのハッキング技術に驚くエディの横で、フランクリンが気になったのは会話の中で触れられたオークションの事。
オークションは商品を入札という形で競って、最高額を提示した者が落札できるシステムだが、どうやらモーニングスターはそれを行っているらしい。
会話だけでは全貌は見えてこないが、モーニングスターの商売や噂を考えるに、
おそらくオークションで取り扱われるのは武器や上物のドラッグ、盗難された美術品。――そして人間や臓器。
それらをオークションで売り、多額の利益を得ているのだろう。
「そろそろ着くぜ」
「あら、本当にクラブなのね」
スーパーダイヤモンドが到着したのはラスベンチュラスの南部に位置するストリップクラブ。
やや外れの位置にあるが、モーニングスターのような犯罪組織が隠れ蓑にするにはちょうど良い規模と立地を持っていると言える。
あの男の会話によれば、ここは会員制のストリップクラブらしいが、今は営業時間外らしいのか、駐車場には車は止まっておらず、また出入り口に警備員らしき人影も見当たらない。
Fr「あそこにいる可能性が高そうだな……」
Ed「アリスとシンジケートの連中に連絡しておこう」
スカーレット・グループに身代金の請求が来ていない事、考えられるモーニングスターの拠点がここしかない事、そして例の人身売買の噂。
それらを総合して考えれば、このクラブにロリスとグランベルが居る可能性はかなり高いと考えられる。
確認するなら今がチャンスとも言えるが、ここは一度引いてシンジケートに任せるのが賢明なのかもしれない。
何せ、装備も整っていなければ、準備も何もしてきていないのだから。
←Before Act.29「誘拐」
Next→ Act.31「駆け引き」
ラスベンチュラス中心部、ストリップ大通りに面したところにあるカジノ、ロイヤルカジノ。
市内には複数のカジノやホテルがあるが、ここのロイヤルカジノはその中では中堅と言った具合か。
とは言え、ひっそりと佇んでいることもあり、著名人が割と訪れる事でも有名。故に、割と集客具合は良いと言える。
Lester(Le)「こんなことで手伝うのは今回だけだぞ」
Franklin(Fr)「悪いな、レスター。助かるよ」
そこの駐車場に居るのはフランクリンとエディ。
彼らがここに居る理由はインスティンクトのチームメンバーの1人、アリスの姪っ子であるロリスが、彼女の友人でもあるグランベル・スカーレットと共に連れ去られたらしい。
そんなロリスとグランベルの居場所を突き止める為、ここに訪れた。
Le「そこから見える黒と赤のエナスに乗ってる男が彼女達を連れ去ったとみて間違いない」
Edie(Ed)「あの帽子の男か……」
一見すれば、このカジノと誘拐には何ら関係がないように思える。
だが、この誘拐に関与したと思われる男が、このカジノで遊んでいることをインスティンクトを頻繁にバックアップしているレスターが突き止め、それをフランクリンたちに提供した。
向かい側、ロイヤルカジノのエントランスの前に止まっている1台のエナス・スーパーダイヤモンド。
イギリスの由緒正しき高級車ブランドのフラッグシップモデルで、モーニングスターが好んで使っている1台だ。
黒と赤のツートンカラーにルーフの赤色の星に社外ホイールはまさしくモーニングスターが独自のカスタマイズを施している物だ。
つまり、誘拐を手引き、あるいは主導したのはモーニングスターと見て間違いない。
誘拐現場となったショッピングモールでも、同じ仕様のスーパーダイヤモンドと思わしき車も確認されていることから、可能性は100%に限りなく近いだろう。
男は知り合いらしき女性と言葉を一言二言交わすと、一緒にスーパーダイヤへと乗り込んでエンジンをスタートさせ、そのままストリップ大通りへと出る。
その後を追うように、フランクリンとエディも車のエンジンをスタートさせて、その後を追う。
Fr「昼間っから随分なご身分だな」
Ed「俺らだって、強盗で稼いだ金で好き勝手やってるだろ?」
Fr「でも女は買ったりしない」
あの男が助手席に連れ込んだ女性はおそらく売春婦。
アメリカの法律は州によって異なるが、サンアンドレアスでは例外的に一部の地区で認められてるだけで、基本的に売春は認められていない。
しかし、サンアンドレアスには大都市が3つに、小さい田舎町から砂漠、山岳地帯まであるのに加え、格差も激しい地域の1つな為、
ロスサントスやサンフィエロの歓楽街や、ラスベンチュラスには稼ぎを求めて多くの女性が商売を行っている事実も存在する。
警察がそう言った女性を買って遊んでいる事実も存在することから、ある意味娼婦の存在は”黙認”されて居るも同然だ。
男がこのまま監禁場所へ向かってくれるのを祈るも、祈り届かず、まず最初に車が止まったのはロイヤルカジノから一番近くにあるコンビニ、24-7。
助手席に娼婦を乗せている事を考えると、男は監禁場所へはすぐに向かわない可能性もある。となれば、長期戦になってしまうかもしれない。
出来る事なら、そんな面倒なことはお断りしたいところだが、粘り強く彼を尾ける以外、何も手がかりはない。
Ed「買いものするみたいだな……まったく、面倒だな」
Fr「どうせゴムでも買うんだろう。手がかりはあの男以外にない今、根気強く見張るしかないな」
Ed「そこのアダルトショップで買わなかっただけマシだな。このまま真っ直ぐ監禁場所に案内してくれれば良いんだが」
Fr「あのショップは品揃えがアブノーマルよりだしな」
24-7からほど近い場所にはアダルトショップがある。所謂”大人のおもちゃ屋”という奴だ。
普通のコトからアブノーマルなコトまで、なんでもそれに適した商品を販売している。
フランクリンも一度ポルノ雑誌目当てに入ったことがあるらしいが、どうやら品揃え的にはアブノーマル中心らしい。
Ed「出るみたいだぞ」
再びスーパーダイヤに乗り込んだ男と女を尾行する。何を買ったかまではわからないが、おそらくフランクリンの予想は間違っていない物と思われる。
あんな派手な格好をした女性と男が2人きりで車に乗っているのだ。”そんなつもりはなかった”なんてことはないだろう。どこぞのテレビ番組の浮気した男のコメントじゃないのだから。
Le「……よし、こんなものだな」
Fr「どうしたんだ、レスター?」
Le「最近の車は電子制御が多くて助かるな。一度ハッキングしてしまえば、中の会話も筒抜けだ。今そっちのラジオで向こうの会話が聞けるようにしてやる」
最近の車は電子制御が多い。90年代の後半には既に増えていたが、2000年代後半はさらに電子制御化が進み、気付けばハッキングさえすれば遠隔操作さえ可能になってしまった。
ましてや、高級車に至っては車内電話なる設備を搭載しているものも多かれ少なかれ存在し、マイクとスピーカーが搭載されている事も多い。
レスターはそれを逆手に取って、GPSまで用いてターゲットの乗るスーパーダイヤモンドをハッキングし、車内の会話をだだ漏れ状態にしたらしい。
流石は、アメリカでもトップクラスのハッカーと言っても過言ではないだけの人物である。
「ねえ、どこに向かうの?」
「秘密の場所さ。モーニングスターの保有するクラブだ。表向きは会員制のストリップクラブだが、実際はいろんな商品を取り扱ってるオークションをしてるんだ」
「楽しそうな場所ね。でもそんなに私にしゃべって大丈夫なの?」
「君とは2回目だからな。何も問題ないさ」
若干ノイズは残るものの、そこそこ鮮明に聞き取れる車内のやり取り。
どうでも良い情報も多いが、そこそこ重要性の高いと思われる情報も聞き取れる。
これからあの男が向かおうとしているのはどうやらラスベンチュラス市内に存在するモーニングスターの拠点の1つらしい。
そして、その拠点はナイトクラブらしく、そのクラブではどうやら”オークション”を行っているらしい。
Ed「こりゃすごい……」
Fr「オークション?」
Le「モーニングスターは武器とドラッグ、盗品の取引が多いが、人身売買も行ってるという噂がある。だが、事実だったようだな」
レスターのハッキング技術に驚くエディの横で、フランクリンが気になったのは会話の中で触れられたオークションの事。
オークションは商品を入札という形で競って、最高額を提示した者が落札できるシステムだが、どうやらモーニングスターはそれを行っているらしい。
会話だけでは全貌は見えてこないが、モーニングスターの商売や噂を考えるに、
おそらくオークションで取り扱われるのは武器や上物のドラッグ、盗難された美術品。――そして人間や臓器。
それらをオークションで売り、多額の利益を得ているのだろう。
「そろそろ着くぜ」
「あら、本当にクラブなのね」
スーパーダイヤモンドが到着したのはラスベンチュラスの南部に位置するストリップクラブ。
やや外れの位置にあるが、モーニングスターのような犯罪組織が隠れ蓑にするにはちょうど良い規模と立地を持っていると言える。
あの男の会話によれば、ここは会員制のストリップクラブらしいが、今は営業時間外らしいのか、駐車場には車は止まっておらず、また出入り口に警備員らしき人影も見当たらない。
Fr「あそこにいる可能性が高そうだな……」
Ed「アリスとシンジケートの連中に連絡しておこう」
スカーレット・グループに身代金の請求が来ていない事、考えられるモーニングスターの拠点がここしかない事、そして例の人身売買の噂。
それらを総合して考えれば、このクラブにロリスとグランベルが居る可能性はかなり高いと考えられる。
確認するなら今がチャンスとも言えるが、ここは一度引いてシンジケートに任せるのが賢明なのかもしれない。
何せ、装備も整っていなければ、準備も何もしてきていないのだから。
←Before Act.29「誘拐」
Next→ Act.31「駆け引き」