cutos1




バイスシティ ワシントンビーチ ワシントンビーチ警察署
gallery1
四季「封獣ぬえがバイスシティに?」
「空港の防犯カメラにバッチリ。なので間違いないかと思いますよ」
四季「懐かしいですね。彼女も今はラスベンチュラスでタクシー会社を経営する傍ら、ストリートレースに興じているようですが」

懐かしい仲間たちとの挨拶を終え、タスクフォースの視察を終えた四季。
とは言え、まだ実際にタスクフォースが前線に出ている様を見たわけではないので、視察が完了したわけではないのだが。

そんな折に、これまた懐かしい仲間から教えられる一つの情報。それは封獣ぬえがバイスシティに訪れているという情報。
彼女もかつてはバイスシティでいろいろな”悪い事”をして居たわけだが、今現在はサンアンドレアス・ラスベンチュラスにて、タクシー会社を経営している。
尤も、それは表の顔であり、裏の顔として”違法なストリートレース”に日夜、顔を出しては愛車でレースに挑んでいるようだが。

そんな彼女がバイスシティに……おそらくバカンスに訪れたのではないだろうかと思考を巡らせる。

gallery2
四季「後日、彼女が入り浸っていたカフェロビーナにでも行ってみましょうか」

カフェロビーナ。キューバンギャングがよく入り浸っている場所だが、比較的温厚なメンバーが多いこともあってか、目立って警察と対峙する機会が少ない犯罪組織。
故に、カフェロビーナも話を聞くのとは裏腹に、意外と隠れた”穴場”として、表の人間から裏の人間まで入り浸っている場所でもある。

ある意味、そういう”事情”があるからこそ、キューバンギャングはそこでこっそりと”情報”を仕入れ、
それを売る事で生計を立てているのでは、とかつて、四季がバイスシティに居た頃は推測していたのだが……現在はどうなのだろうか。

かつて、80年代はハッパや結晶を筆頭に、ドラッグ取引が猛威を振るい、それによる死者やギャングの流動もあった。
だが、四季が警察官になった2000年代にはなりを潜めつつあったし、2010年代にもなれば、ハッパも合法化される州や街も増加傾向。
それに伴い、ここ、バイスシティにも合法化を求む声が増えつつあると聞いている。

さて。そうなるとハッパなんかは特にビジネスとして成り立たなくなるわけだが、そうなると今度、何がビジネスになるのか。
四季が考えるに”情報”の売買こそが、ビジネスになる。古くから、情報が戦の勝利を導いてきたことを考えるに、これをビジネスにしない手はないだろう。

gallery3
メディスン「彼女がサンアンドレアスから視察に来た人?」
林虎「嗚呼。SAPDのトップだ」

そんな四季をやや離れた位置から見つめる影。それはメディスンと林虎の二人だ。
丁度パトロールから戻ってきたメディスンは、デスクワークに興じていた林虎に声をかけ、四季に視線を向けた。

林虎は雑用のように彼女の出迎えを半ば押し付けられる形で引き受けたわけだが、ここだけの話、あまり四季映姫という人物について知らない。
空港からここに来るまでの間、確かに会話をした。
だが、話の内容と言えば、今のバイスシティの現状、サンアンドレアスの現状であったり、林虎自身の事だったりして、
彼女の素性や私生活に関するような話はなにもしなかった。

gallery4
林虎「昔、ここの警察署長をやってたみたいだがな」
メディスン「そうなの?」
林虎「署長室に写真があったから間違いないだろう」

だが、ひとつだけわかることがある。それは四季映姫という人物がかつて、ここ、バイスシティ警察に所属していた事。
そして今、林虎達が勤務しているワシントンビーチ警察署の署長にまで上り詰めていたという事だ。

他にわかる情報と言えば、SAPDのトップという事とインターネットで彼女の名前を検索して出てくる情報くらいのものだろう……。

gallery5
メディスン「彼女が署長だったなんて……何年くらい前の話なんだろう?」
林虎「少なくとも5、6年前じゃないか?」

林虎とメディスンは配属されてからまだ1年経って居ない。その為、まだまだバイスシティの警察組織についてはわからない部分も多い。
なんなら、四季映姫がわざわざそれの為に視察に来たと言う”タスクフォース”に関しても、
警察学校に居た頃にどういう組織かを教えられた程度で、実際にどのような雰囲気を持ち、どのような装備を使うユニットなのかは、配属後に知ったくらいだ。

その為、当然、四季映姫が居た頃の、つまり、昔のバイスシティ警察の事など、知る由もないのだ。

gallery6
林虎「……少し興味が沸いて来たな」

好奇心には抗えない。調べられる側は決して良い気はしないだろうが、”昔のバイスシティ警察”の事を知る、という意味でも個人的に彼女の事を調べても悪くはないだろう。



バイスシティ ダウンタウン ハイマンコンドミニアム
gallery7
Henry(He)「奴らも動き出したみたいだな」
Bryson(Br)「流石は天下のスカーレット様だな、買収に買収を重ねるなんてな」

買収計画を進めていたヘンリー・ダガンとブライソン・ギボンの二人は、
早々にスカーレットが動きだした事に少しばかり驚きつつも、これもまた計算通りだと、不敵に笑みを浮かべる。

gallery8
Br「でもこのままだと、オセロみたいにまたひっくりかえされるぞ?」
He「折角ここまでしたってのに、それだと無意味になっちまうな。結局”正攻法”じゃダメなんじゃないか?」

今、バイスシティで巻き起こっている企業の買収騒動はまさしく”ゲーム”と言えよう。お金を掛けたオセロ。
どっちがその財力で、より多くの企業を支配下におけるか。そんなゲームが始まっている。だが、財力と言う観点で見た時に勝敗がどちらか、なんていうのは目に見えてわかる。

gallery9
Br「なるほど、そういうことか……」
He「叔父さんがメリーウェザーの主要株主の一人で良かったよ」

そこで二人は正攻法ではない、異なる方法でゲームを制する方法を思い付く。
それは、ヘンリーの叔父である、エイブリー・ダガンが主要株主に就いている、メリーウェザーを雇う手法……。

かつて、IAA汚職騒動の際にメリーウェザーは窮地に立たされた。だが、そこを救ったのはダガンファミリー。
その結果、かつてほどの勢力ではないにせよ、メリーウェザーはゆっくりとではあるが、勢いを取り戻しつつある。

そんな彼らを使って、やることはただ一つ。スカーレットに奪い返された物件の”襲撃”だ。



←Before Epi.2「女王の帰還」