バイスシティ ワシントンビーチ 警察署
四季「おかげさまでカウフマンキャブはスカーレットの手元に戻りました。被害こそありましたが、あなた達を咎めないよう、署長には伝えておきましたよ」
メディスン「感謝します」
カウフマンキャブでの銃撃事件から一夜明け……。メリーウェザーの登場に、武力行使が行われていた背景もあり、市警は本格的に調査に乗り出した様子。
本来、あの手の銃撃事件が起これば市警を通り越して連邦警察やFIBが動いてもおかしくはないが、
四季映姫の働きかけやスカーレットの元へと物件が戻ったこともあってか、管轄は変わらず、バイスシティ警察らしい。
それが良い事かどうかはわからないが。それに、本来ならば、林虎とメディスンの取った行動は責任問題になってもおかしくはない。
四季「しかし、危ない橋を渡るのは頂けません。いくら切り抜けられたと言えど、昼下がりの街中での銃撃戦。無関係の市民に流れ弾が当たる可能性さえある」
林虎「そうは言っても、あーするしか……」
四季「自分を、仲間の身を守ることに問題はありません。私が言いたいのは――」
だが、あの状況下で出来ることはやはり応戦するしかなかったのも事実。あのまま対処しなければ今頃この世界に別れを告げて居たっておかしくないのだから。
しかしそれはそれ、これはこれ。白昼堂々と銃撃戦を始めたのは紛れもない事実で、それも住宅地にあるタクシー事務所ともなれば、市民に被害が出てもおかしくない。
今回、市民に何一つ被害が出なかったのは運が良かったと言えよう。
・
・
・
メディスン「……長かったわね」
林虎「噂通りだったな……説教が長いってのは」
メディスン「いくらお咎め無しって言っても、これじゃ何も変わらないわよ……」
延々と説教をし続ける四季の言葉を右から左へと受け流しながら、ようやくありがたいお説教が終わる頃にはげっそりする二人。
当たり前だろう。かつて、バイスシティ警察に居た頃から、彼女の説教は”長い”と評判だったのだから。まさしく四季からの洗礼を受けたと言えよう……。
林虎「とりあえず少し気晴らしにでも出掛けるか」
メディスン「ええ、そうしましょう。甘いものが食べたい気分……」
捜査に出掛けて行った四季を見送ってようやく一息。確かに。彼女のおかげで処分を受けずに済んだと言えど、代わりに”咎められる”ことになろうとは。
時間にして1時間は優に過ぎていたように思える。それだけ延々と説教をされれば、流石に身体にも堪える。
癒やしが欲しい。何か甘い物を食べたい。満場一致で、林虎とメディスンは署を後にして近くのカフェへと足を運ぶ。
バイスシティ ダウンタウン ハイマンコンドミニアム
Bryson(Br)「ヘンリー、来客だ」
Henry(He)「来客?」
ダウンタウンにあるハイマンコンドミニアムのヘリポート。
カウフマンキャブをメリーウェザーで制圧するつもりが、バイスシティ市警が逆に制圧してしまった事により、やや立場が揺らいだヘンリーとブライソン。
正攻法でもダメ、この方法でもダメ……いよいよバイスシティでのスカーレットとの抗争はより戦火を増して、押されている事を痛感したヘンリー。
彼のファミリーであるダガンファミリーの元締めでもあるエイブリー・ダガンに助けを求めに行って立て直しの約束を取り付けて来た帰り。
ヘリポートに着くなり、ブライソンが出迎える。
Br「なんでも、CNTの記者らしい。一度ヘンリーに会いたいと」
He「CNTか……」
CNTはアメリカにおける主要メディアの一つで、WEAZELやローカル9と肩を並べる大手チャンネル。
民進党支持で知られており、WEAZELとは対を成す左派メディアである。その記者がヘンリーに用があるとはどういうことなのだろうか?
Derek(De)「お前達がスカーレットに喧嘩を売った二人組か」
He「一体何の用だ?」
記者の名前はデレック・チャールトン。彼のコラムはそこそこ知られており、二人も目にした記憶がある。
言ってしまえば、CNTバイスシティ支社における彼の影響力は計り知れないのだ。
ましてや、彼の影響力を抜きに考えても、CNTの報道ともなれば、メディアを全面的に信頼している層も騙しやすい。
De「手助けをしないと思ってな。俺も奴らには個人的な恨みがある。勿論、相応の報酬は払ってもらうが……どうだ?」
He「なるほど……悪い話じゃない」
Br「むしろ、今だからこそ頼れるんじゃないか?」
男が語るのは――端的に言ってしまえば、”偏向報道”だ。
スカーレットを貶める報道をすることで大衆の風向きを変える。
サンアンドレアスの一連の騒動以降、世間はスカーレットを好意的に捉えている層が多いが、それを覆せるだけの可能性がデレックの提案には秘められている……。
←Before Epi.5「カウフマンキャブ」
四季「おかげさまでカウフマンキャブはスカーレットの手元に戻りました。被害こそありましたが、あなた達を咎めないよう、署長には伝えておきましたよ」
メディスン「感謝します」
カウフマンキャブでの銃撃事件から一夜明け……。メリーウェザーの登場に、武力行使が行われていた背景もあり、市警は本格的に調査に乗り出した様子。
本来、あの手の銃撃事件が起これば市警を通り越して連邦警察やFIBが動いてもおかしくはないが、
四季映姫の働きかけやスカーレットの元へと物件が戻ったこともあってか、管轄は変わらず、バイスシティ警察らしい。
それが良い事かどうかはわからないが。それに、本来ならば、林虎とメディスンの取った行動は責任問題になってもおかしくはない。
四季「しかし、危ない橋を渡るのは頂けません。いくら切り抜けられたと言えど、昼下がりの街中での銃撃戦。無関係の市民に流れ弾が当たる可能性さえある」
林虎「そうは言っても、あーするしか……」
四季「自分を、仲間の身を守ることに問題はありません。私が言いたいのは――」
だが、あの状況下で出来ることはやはり応戦するしかなかったのも事実。あのまま対処しなければ今頃この世界に別れを告げて居たっておかしくないのだから。
しかしそれはそれ、これはこれ。白昼堂々と銃撃戦を始めたのは紛れもない事実で、それも住宅地にあるタクシー事務所ともなれば、市民に被害が出てもおかしくない。
今回、市民に何一つ被害が出なかったのは運が良かったと言えよう。
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メディスン「……長かったわね」
林虎「噂通りだったな……説教が長いってのは」
メディスン「いくらお咎め無しって言っても、これじゃ何も変わらないわよ……」
延々と説教をし続ける四季の言葉を右から左へと受け流しながら、ようやくありがたいお説教が終わる頃にはげっそりする二人。
当たり前だろう。かつて、バイスシティ警察に居た頃から、彼女の説教は”長い”と評判だったのだから。まさしく四季からの洗礼を受けたと言えよう……。
林虎「とりあえず少し気晴らしにでも出掛けるか」
メディスン「ええ、そうしましょう。甘いものが食べたい気分……」
捜査に出掛けて行った四季を見送ってようやく一息。確かに。彼女のおかげで処分を受けずに済んだと言えど、代わりに”咎められる”ことになろうとは。
時間にして1時間は優に過ぎていたように思える。それだけ延々と説教をされれば、流石に身体にも堪える。
癒やしが欲しい。何か甘い物を食べたい。満場一致で、林虎とメディスンは署を後にして近くのカフェへと足を運ぶ。
バイスシティ ダウンタウン ハイマンコンドミニアム
Bryson(Br)「ヘンリー、来客だ」
Henry(He)「来客?」
ダウンタウンにあるハイマンコンドミニアムのヘリポート。
カウフマンキャブをメリーウェザーで制圧するつもりが、バイスシティ市警が逆に制圧してしまった事により、やや立場が揺らいだヘンリーとブライソン。
正攻法でもダメ、この方法でもダメ……いよいよバイスシティでのスカーレットとの抗争はより戦火を増して、押されている事を痛感したヘンリー。
彼のファミリーであるダガンファミリーの元締めでもあるエイブリー・ダガンに助けを求めに行って立て直しの約束を取り付けて来た帰り。
ヘリポートに着くなり、ブライソンが出迎える。
Br「なんでも、CNTの記者らしい。一度ヘンリーに会いたいと」
He「CNTか……」
CNTはアメリカにおける主要メディアの一つで、WEAZELやローカル9と肩を並べる大手チャンネル。
民進党支持で知られており、WEAZELとは対を成す左派メディアである。その記者がヘンリーに用があるとはどういうことなのだろうか?
Derek(De)「お前達がスカーレットに喧嘩を売った二人組か」
He「一体何の用だ?」
記者の名前はデレック・チャールトン。彼のコラムはそこそこ知られており、二人も目にした記憶がある。
言ってしまえば、CNTバイスシティ支社における彼の影響力は計り知れないのだ。
ましてや、彼の影響力を抜きに考えても、CNTの報道ともなれば、メディアを全面的に信頼している層も騙しやすい。
De「手助けをしないと思ってな。俺も奴らには個人的な恨みがある。勿論、相応の報酬は払ってもらうが……どうだ?」
He「なるほど……悪い話じゃない」
Br「むしろ、今だからこそ頼れるんじゃないか?」
男が語るのは――端的に言ってしまえば、”偏向報道”だ。
スカーレットを貶める報道をすることで大衆の風向きを変える。
サンアンドレアスの一連の騒動以降、世間はスカーレットを好意的に捉えている層が多いが、それを覆せるだけの可能性がデレックの提案には秘められている……。
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